ライフ

TVで話題の“見えないマウスピース矯正” 本当に欠点はない?

噂の透明マウスピース矯正『インビザライン』

 8月8日は、「歯並びの日」らしい。へぇ~、知らなかった。歯並びというと見かけの面しか思い浮かばなかったけれど、歯を失う二大原因である虫歯と歯周病にも深い影響があるとか。なぜなら、歯並びが悪いと歯周病の原因となる歯垢がたまりやすくなるし、唾液のめぐりが悪くなり虫歯や歯周病のリスクも高まる…と、そんなことを知ったら、とたんに年々ずれが大きくなってきた下の歯並びが気になる30代独身女性記者のM。

 でもワイヤー矯正は口の中が切れて痛いというから抵抗がある。一方、テレビなどで最新歯科矯正と取り上げられて話題のインビザラインは、「透明だから装着していることを気づかれない」、「2週間ごとにマウスピースを着け替えるだけで手軽」、「歯を抜かなくていいし痛くない」など、いい面ばかりを耳にするが、果たして本当に高い治療に投資する価値はあるのか!? そこでマウスピース矯正で有名な“Dr.ドラゴン”こと『トルナーレデンタルクリニック』の龍信之助院長を直撃し、ズバリ“欠点”について問い詰めてみた。

 * * *
――今話題のインビザラインですが、インターネットで検索すると“欠点”みたいなのもけっこう引っかかります。「歯がプラン通りに動かず計画が3か月もズレ込んだ」なんて声もありますが、実際どうなんですか? 矯正治療は金額も大きいので不安です。

龍:インビザライン矯正は、マウスピースを着けていないと動かないので、毎日、毎食前に外して毎食後に着けなくてはいけません。そういう手間はありますが、着けていれば必ず動きますよ。患者さんがちゃんと1日20時間以上の装着を守ることと、2週間ごとにマウスピースの着け替えを怠らないことがいちばん大事です。しいていうなら、この点のみが欠点といえますね。ワイヤーの場合は、ドクターが管理して毎月の受診で着け替えますが、インビザラインの場合は、患者さんがご自身でしっかりと管理しなくてはいけませんから。でも逆に、毎月必ず受診せずに済むところはラクだという患者さんの声はありますね。

 治療期間については、ワイヤーにせよマウスピースにせよ、最初の計画通りにいかないケースはあります。ですが、マウスピース矯正では当初の治療計画通りに歯が動いたかどうかを確認して、再度、設計図を作ることができるのは、逆に利点として考えられると思います。

――価格はどうですか? ワイヤー矯正よりも高いのでは?

龍:実際、ワイヤー矯正と比較するとマウスピース矯正の方が若干高いクリニックはあるかもしれませんが、歯の内側につけるワイヤー矯正より安いクリニックは多いと思います。100万円の治療は高いと思うかもしれませんが、歯磨きもしやすくなるし、歯を失うリスクを避けられるとしたら一生の価値があります。20才で矯正をして80才まで生きたとして、毎日3回食事をしたとすると、6万5700回の食事をします。そうすると、1回の食事あたり15円強で矯正ができることになります。おいしいものを一生食べるための投資としては決して高くはないと思いますよ。

――「ワイヤー矯正の方が歯を移動する矯正力は弱く、2週間ごとに動かすインビザラインの方が移動の際の矯正力が強い上に歯列への作用は断続的」なんて解説も見かけました。

龍:それは間違った認識ですね。着け替え時の痛みも、ワイヤー矯正の方が1か月ごとに一気に締めるので瞬間的な矯正力は強いといえます。ワイヤーからマウスピース矯正に乗り換えた患者さんもおっしゃっていますが、ワイヤーを締めるときの痛みやワイヤーで口の中を切って傷だらけ、口内炎だらけになる痛みに比べたら、マウスピースは着け替える際のちょっとした違和感の痛みのみで、はるかにいいという声をいただいていますよ。

 初診の段階で歯型の石膏模型を作って、その石膏模型でマウスピースを作るなんていう歯科医もいらっしゃるようですが、模型では作りませんし、コンピューターが最初に患者さんの“ゴールの歯並び”までを正確にシミュレーションして、マウスピースの型を作るというものです。新しい矯正のため、このように誤った認識を持つ歯科医もいますから、マウスピース矯正を行う際には、正しい認識と技術を持つ歯科選びも重要です。

関連記事

トピックス

インタビュー中にアクシデントが発生した大谷翔平(写真/Getty Images)
《大谷翔平の上半身裸動画騒動》ロッカールームでのインタビューに映り込みリポーター大慌て 徹底して「服を脱がない」ブランディングへの強いこだわり 
女性セブン
映画『八日目の蝉』(2011)にて、新人俳優賞を受賞した渡邉このみさん
《ランドセルに画びょうが…》天才子役と呼ばれた渡邊このみ(18)が苦悩した“現実”と“非現実”の境界線 「サンタさんを信じている年齢なのに」
NEWSポストセブン
アーティスト活動を本格的にスタートした萌名さん
「二度とやらないと思っていた」河北彩伽が語った“引退の真相”と復帰後に見つけた“本当に成し遂げたい夢”
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、小泉家について綴ります
《華麗なる小泉家》弟・進次郎氏はコメ劇場でワイドショーの主役、兄・孝太郎はテレビに出ずっぱり やっぱり「数字を持っている」プラチナファミリー
女性セブン
調子が上向く渋野日向子(時事通信フォト)
《渋野日向子が全米女子7位の快挙》悔し涙に見えた“完全復活への兆し” シブコは「メジャーだけ強い」のではなく「メジャーを獲ることに集中している」
週刊ポスト
1966年はビートルズの初来日、ウルトラマンの放送開始などが話題を呼んだ(時事通信フォト)
《2026年に“令和の丙午”来たる》「義母から『これだから“丙午生まれの女”は』と…」迷信に翻弄された“昭和の丙午生まれ”女性のリアルな60年
NEWSポストセブン
6月2日、新たに殺人と殺人未遂容疑がかけられた八田與一容疑者(28)
《別府ひき逃げ》重要指名手配犯・八田與一容疑者の親族が“沈黙の10秒間”の後に語ったこと…死亡した大学生の親は「私たちの戦いは終わりません」とコメント
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問される佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
《ブラジルへ公式訪問》佳子さま、ギリシャ訪問でもお召しになったコーラルピンクのスーツで出発 “お気に入り”はすっきり見せるフェミニンな一着
NEWSポストセブン
渡邊渚さんが性暴力問題について思いの丈を綴った(撮影/西條彰仁)
《渡邊渚さん独占手記》性暴力問題について思いの丈を綴る「被害者は永遠に救われることのない地獄を彷徨い続ける」
週刊ポスト
 6月3日に亡くなった「ミスタープロ野球」こと長嶋茂雄さん(時事通信フォト)
【追悼・長嶋茂雄さん】交際40日で婚約の“超スピード婚”も「ミスターらしい」 多くの国民が支持した「日本人が憧れる家族像」としての長嶋家 
女性セブン
母・佳代さんと小室圭さん
《眞子さん出産》“一卵性母子”と呼ばれた小室圭さんの母・佳代さんが「初孫を抱く日」 知人は「ふたりは一定の距離を保って接している」
NEWSポストセブン
PTSDについて大学で講義も行っている渡邊渚さん(本人提供)
渡邊渚さんが憤る“性暴力”問題「加害者は呼吸をするように嘘をつき、都合のいい解釈を繰り広げる」 性暴力と恋愛の区別すらできない加害者や擁護者への失望【独占手記】
週刊ポスト