7月23日午後2時過ぎ。安藤美姫(25才)は成田空港から、たったひとりで飛行機に乗り込み、アメリカ・コネティカット州にある小さな街へ向かった。
アメリカ・ニューヨークから車で約3時間ほど東に行ったところにあるその街は、澄んだ川が流れ、その川沿いに古いカントリータイプのホテルが並んでいる。街の山側にあるスケートリンクは、トリノ五輪後の2006年から安藤がトレーニングの拠点にしていた場所だった。
安藤は街に到着した翌朝、そのリンクを訪れた。隣に寄り添っていた男性──それは安藤のかつてのコーチで、元カレのニコライ・モロゾフ氏(37才)だった。
「ずいぶん早い時間だったそうですよ。やっぱり人目を気にしてるんですかね。でも、“美姫が戻ってきた”とスタッフの間では噂になっていました」(現地スケート関係者)
4月に極秘出産した安藤は、8月5日に弁護士同席のもと会見を開いた。そこで、「父親の件は、私の口からは誰だという報告はこれからも一切いたしません」と、改めて明言。そしてコーチ問題の話になった。
「1人お声かけしていたコーチに最初はいいお答えをいただいてたんですけども、昨日(4日)の朝に連絡をいただいてNOだったので、また新しい先生を見つけようかなという段階。もう1人お願いをしたい先生がいる」
しかし彼女の中でその“先生”はほぼ決まっていた。試合を2か月後に控えた今、コーチが決まっていないという窮地にもかかわらず、焦った様子もなく、淡々と、時折笑顔を見せながら話す安藤の様子からもそれは明らかだ。
「安藤さんにとってモロゾフさんと会うことは最後の賭けでした。元カレの元を訪ねれば、またいろいろ言われるのはわかっていたんですが、それでも彼女はモロゾフさんにコーチをお願いするしかなかったんです。でも、まだ正式なOKをもらえていないので、会見の席では発表できなかったんです」(スケート関係者)
モロゾフ氏はふたつ返事で安藤のコーチを引き受けることはなかったという。現地スケート関係者がこう証言する。
「現地では振り付けの先生も一緒に何度か打ち合わせをしたそうです。でも安藤さんは出産で体形も変わったし、モロゾフ氏は今、高橋大輔(27才)のコーチに就任していますからね。でも、一度スケートをやめたいと言った彼女が思いつめた様子で懇願する姿に、彼のほうもなんとかしてあげたいという思いになったそうです。何より自分のことを信じてくれていることに揺れているそうです。そろそろ正式に引き受けるんじゃないですか?」
※女性セブン2013年8月22・29日号