孫の誕生は、祖父母世代にとってこのうえない喜びの瞬間だ。初孫が生まれたタイミングで「孫投資」を始めるという人も多い。では、教育支出が最も増える高校・大学進学の頃──つまり「15年後の孫」のためを考えた時、どんな種類の投資方法が理想なのだろうか。“未来の孫”がそれを開けた時に“お爺ちゃんの大きな愛情”を感じる「資産タイムカプセル」を、グローバルリンクアドバイザーズ代表の戸松信博氏が提案してくれた。
なお、投資の方法は「投資金額は100万円」「投資から15年後までポートフォリオを組み替えない“超長期投資”であること」「教育資金という性格上、高リスクを避けつつ、利殖が期待できる投資方法であること」「15年後の日本や世界の情勢を織り込んだ投資であること」という4つの選考条件を採用している。
【戸松氏の「資産タイムカプセル」】
(投資金額100万円)
「メルカドリブレ(MELI)」=33%
「奇虎360(QIHU)」=33%
「ヤンデックス(YNDX)」=33%
15年後という長期投資なら、今後の成長が見込める新興国で圧倒的なシェアを誇る優良成長株に目を向けたい。注目はグーグルやアマゾンといったグローバル企業と対照的に、特定地域でシェアを高めているネット関連企業です。
たとえば南米のeコマース市場最大手で、「南米の楽天」といわれる「メルカドリブレ」は、南米のネットショッピング普及率がまだまだ低く、ライバル企業がいないため成長余地は極めて高い。
「ロシアのグーグル」と称される「ヤンデックス」も注目です。現在、ロシアの検索市場でグーグルを大きく引き離す6割のシェアを持ち、ウクライナやカザフスタンなど旧ソ連圏に展開しています。
成長が鈍化したとはいえ、中国のネット市場も長期的に期待が持てます。「奇虎360」は、グーグルの中国本土撤退によってシェアを拡大しています。SNSサイトを運営するYYにも注目。会員数は6億人に達するといわれています。
これらの企業はいずれも米国に上場しており、一定の安心感があるうえ、日本のネット証券を中心に取り扱いも増え、ポートフォリオの銘柄名に記した略称(ティッカー)で購入できるため、取引も難しくないと思います。
●戸松信博:グローバルリンクアドバイザーズ代表。1973年生まれ。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する「海外投資のカリスマ」。
※週刊ポスト2013年8月16・23日号