孫の誕生は、祖父母世代にとってこのうえない喜びの瞬間だ。初孫が生まれたタイミングで「孫投資」を始めるという人も多い。では、教育支出が最も増える高校・大学進学の頃─つまり「15年後の孫」のためを考えた時、どんな種類の投資方法が理想なのだろうか。
“未来の孫”がそれを開けた時に“お爺ちゃんの大きな愛情”を感じる「資産タイムカプセル」を、「家計の見直し相談センター」のファイナンシャルプランナー・藤川太氏が提案してくれた。
なお、投資の方法は「投資金額は500万円」「投資から15年後までポートフォリオを組み替えない“超長期投資”であること」「教育資金という性格上、高リスクを避けつつ、利殖が期待できる投資方法であること」「15年後の日本や世界の情勢を織り込んだ投資であること」という4つの選考条件を採用している。
【藤川氏の「資産タイムカプセル」】
(投資金額 500万円)
「ブラジル株ファンド=10%」
「ロシア株ファンド=10%」
「インド株ファンド=10%」
「中国株ファンド=10%」
「インドネシア株ファンド=10%」
「外国債券ファンド=40%」
「金=10%」
有望な投資先は「15年後に現在より豊かになる国」に目を向けるべきでしょう。現在は多くの問題を抱えているにしても、BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)は、今後15年以上は日本よりも高成長が見込めます。加えて、世界第4位の人口を誇り、資源国でもあるインドネシアも有望な国といえるでしょう。
それらの国の成長の恩恵を受けるために、まずはBRICs4か国とインドネシアの株式を組み入れたファンド(投資信託)をそれぞれ購入したいところです。投資金額100万円ならこれで十分ですが、500万円の場合はリスクヘッジのために価格変動リスクが株式よりも低い外国債券のファンドを組み入れます。
また、株価とは異なる値動きが期待でき、戦争や災害、大恐慌が起きても価値が下がりにくい金を組み入れてもいいでしょう。
残念ながら、日本の先行きを考えれば大きな成長は望めず、長い目で見れば大幅な円安になる可能性も考えられます。その点でも、外貨建てのポートフォリオを組んでおけば、値上がり益に加え、為替差益という“ボーナス”も期待できると思います
●藤川太:1968年生まれ。「家計の見直し相談センター」で個人向け相談サービスを展開するファイナンシャルプランナー。『年収が上がらなくてもお金が増える生き方』など著書多数。
※週刊ポスト2013年8月16・23日号