缶コーヒーのCMでおなじみのハリウッドスター、トミー・リー・ジョーンズ(66才)。どこか昭和の日本の頑固おやじ風な雰囲気で、ジョーンズさんの愛称で親しまれている彼が、映画『終戦のエンペラー』(公開中)では、マッカーサー役を好演し話題を呼んでいる。来日したところを直撃し、映画のこと、CMのことなどを聞いた。
――日本の文化で特に気になるものはありますか?
「歌舞伎だね。大学時代に歌舞伎を学んでいたんでね。それで好きになって、日本に来たら必ず見に行くよ。歌舞伎は色彩も音楽も演技も全部が素晴らしい。この映画で昭和天皇を演じたタカ(片岡孝太郎・45才)は、歌舞伎役者だけど、彼と共演できたことも嬉しかった。友達にもなれたし、いろんな話をしたよ」
――何を話したんですか?
「仕事に関係ない家族の話だね。歌舞伎役者は親の許可がないと映画に出られないって話を聞いたときは驚いたよ(笑い)。歌舞伎に限らず、日本の文化は素晴らしい。私は月岡芳年という、幕末・明治の浮世絵師が好きでね」
――それはまたマニアックな……。
「月岡芳年は娘のために集めたんだ。月をモチーフにした『月百姿』という作品があって、それは浮世絵ならではの魅力がある。百選あるうちの34選まで持っているんだよ」
――すごい。本当に日本人以上に日本に詳しいんですね。
「ハハハハ、ありがとう」
――話は変わりますが、“宇宙人ジョーンズ”として出演している缶コーヒーのCMの影響で、私の母はあなたが日本在住だと思っているんですよ。
「本当かい(笑い)。あのCMのおかげで、年に2回くらい日本に来ているから、もう私は日本に住んでいるのと同じだよ(笑い)。日本では、京都で観光をしたり、北海道で釣りをしたり、沖縄でスキューバーダイビングをしたり、いろんなところに行けて楽しいね。それに日本のCMは、ただ商品を持ってにこりと笑うだけでなく、ドラマシリーズにしてもいいくらいのストーリー性がある。素晴らしいと思うよ」
※女性セブン2013年8月22・29日号