第4話では27・6%という今クール断トツの平均視聴率を叩き出したドラマ『半沢直樹』(TBS系)。実に厳しい争いが毎度展開されるが、本当にここまでエグいのか。現役の銀行マンやその妻に裏側を聞いてみた。
銀行では仕事の失敗同様に命取りになるのが“社内不倫”の発覚だ。
「銀行員は昼も外に出ず、若いうちは帳簿のチェックや手形の処理作業で終電近くまで行内に閉じ込もりっきりになることも多く、同僚と共に過ごす時間が長いんです。それゆえ、社内恋愛や社内結婚が多いんですが、銀行は信用第一ですから、社内不倫はご法度。役員のなかでも実績では飛び抜けていたのに、不倫が原因で結局、頭取になれなかった人も私は知っています」(あるメガバンクの40代人事部)
銀行では、不倫が表沙汰になった瞬間に出向や転籍の対象になるそうで、40代の課長クラスが関連会社に飛ばされた上、ティッシュ配りをさせられることもあったという。
また、ドラマでは上戸彩(27才)演じる半沢の妻・花が、転勤で慣れない大阪暮らしを強いられ、「銀行員の妻になんかならなきゃよかった~」とボヤくシーンがあるが、懲罰的な意味合いを抜きにしても、転勤が多いのは銀行マンの宿命だ。
「だいたい2~3年くらいで支店を転々とするのが普通です。ひとつのところに長くいて、そこで地位も上がってくると、扱える金額も大きくなり、横領の可能性が出てくる。それを防ぐためでもあるんです。
なので、マイホームを買っても、そこに長く住むことはまず無理ですね。むしろ、家を買ってローンを組むと、“こいつは辞めないな”と判断され、地方に転勤させられるケースもあります」(前出・40代人事部)
転勤先では社宅住まいになることも多いが、社宅では、夫の社内での地位が、そのまま妻の地位になるという。
「夫の上司の奥さんに嫌われたのが原因で、夫が左遷させられたりしたら大変だし、逆にその奥さんの心証をよくすれば出世につながるかもしれない。だからゴミ出しや掃除当番を、部下の奥さんが率先して引き受けるのは当たり前で、上司の奥さんのお祝い事には、生意気だと思われない程度の高級なプレゼントを贈ります」(30代支店勤務の妻)
※女性セブン2013年8月22・29日号