妻の浮気が夫にバレた場合、どんな事態となって法的なペナルティーが発生するのか? さかきばら法律事務所の弁護士・打越さく良さんに聞いた。
前提として、夫婦破綻の原因を作った側(有責配偶者)から、離婚を求めても認められるのが難しいという。
「浮気がバレたら、裁判で夫に離婚を請求してもかなりハードルが高くなってしまいます。よくあるケースが、夫からのDVなどでずっと悩んでいて、男友達に相談するうちに恋愛関係(浮気)となり、それが夫にバレて『絶対に離婚しない』と居直られるケース。その時になって相談に来るかたがいますが、ぜひその前に来てほしいですね」(打越さん・以下「」内同)
証拠として認められるのは写真、音声、メールやSNSのやりとり、手紙など。
妻の浮気が原因でも、夫婦の共有財産を1/2ずつ分けることは変わらない。慰謝料は、専業主婦の場合、支払い能力が低いことは考慮される。
「一概には言えませんが、経験上は夫が浮気した場合の慰謝料は収入に応じて200万円から500万円。妻は専業主婦なら100万円から200万円。働いている場合は男性並みに支払う場合も。一度の浮気なのか、継続した浮気か等でも額が違います」
ちなみに、妻の浮気が原因でも、妻が親権者となれば養育費は夫の負担となる。
「ただ、夫が浮気した場合も養育費は同額なので、正直多くはもらえません。離婚すると、たいてい妻側の生活レベルはぐんと落ちますし、浮気がその理由となると子供や社会の信頼など失うものも多い。裁判所が『既婚者が恋愛できて素敵だね』なんて言うことはありませんから、結果責任はシビア。軽い気持ちで浮気を始めても、バレたら重いしっぺ返しが待っていることを肝に銘じておいてください」
※女性セブン2013年8月22・29日号