アベノミクス効果か、景気のいいニュースが増えてきたものの、給料アップはまだ先のこと。浮かれがちな今だからこそ、財布のひもをしっかり締め直したい。食費や光熱費など細かな節約も大事だけど、真の“貯まる体質”になるには発想の転換を!
デパートの宝石売り場がにぎわい、マクドナルドが限定発売した“1000円バーガー”が飛ぶように売れるなど、景気のいい話題が私たちの周りにも増えてきた。
だが、財布のひもを緩めるのはまだ早いと、ファイナンシャルプランナー・花輪陽子さんは注意を促す。
「確かに景気回復の兆しは見えますが、サラリーマン家庭の給料アップは早くても冬以降。今出費を増やすと、貯金ができなくなるばかりか、来年4月に消費税がアップしたときには大赤字に」
雰囲気に流されず、家計をしっかり守るために、花輪さんはまずお財布とその使い方を見直すべきという。
「しっかり貯めている人と貯めていない人、何がいちばん違うかといったら、やっぱり“お財布”なんです。貯まる人の財布は美しく、とてもシンプル。お金を大切にしているから、お金が集まってくるんだということがひと目でわかります」
反対に、お金が貯まらない人のお財布は共通して、見た目がパンパンで、中も整理されずぐちゃぐちゃ。お金の扱いそのものが雑だという。なぜ、お財布は貯金と関係があるのか。節約アドバイザーの丸山晴美さんによれば、その理由は明快だ。
「お財布を管理できているということは、頻繁に出入りするお金やレシートひとつひとつに注意している証拠。無駄遣いや使途不明金が少ないんです」
家計アドバイザーとして数々の財布を見てきた花輪さん、丸山さんによると、貯まる財布には次のような特徴があることがわかった。
【徹底して小銭から使え】
「貯まらない人は小銭を出すのを面倒くさがる傾向があります」(花輪さん)
本来ならば、財布からお札がどんどん減っていけば抵抗感を覚えるものだが、お札をすぐに崩す人はその感覚が薄れている。お札から使うと、おつりは小銭ばかりで財布も膨らみ、残金も把握しにくくなる。多少手間でも、レジでは小銭から出し、財布にはできるだけお札を残すよう心がけよう。
【財布に入れる金額は1万円程度に】
トイレットペーパー、バター、牛乳、ドレッシング…食料品や日用品の値上げラッシュが続く中、これまでと同じように買い物をしていては出費がかさんでしまう。
「最小限+αの現金しか持ち歩かないようにすれば、細かい出費にも気を配るようになり、自然と節約できます」(丸山さん)
例えば、100円の商品を買うかどうか迷ったとき、財布に1000円しかない場合と、10万円ある場合では、心に響く“ストップ!”の声に大きな差が出るだろう。
「財布に入れる金額は、1週間で1万円が目安。残金を見れば、お札を入れてからいくら使ったのかわかりやすくなります」(丸山さん)
【カードは10枚以上持つな】
“入会特典”などにつられ、気づけば財布を占領する電子マネーやポイントカードなどのカード類。
「カードがたくさんあると管理しきれなくなります。不要な年会費を払い続けてしまったり、必要なときに埋もれて見つからなくなってしまうことも。カード類は5~6枚以内が理想。これに免許証など必要なものを加えても10枚以下に抑えて」(花輪さん)
【やっぱり“長財布”を持て】
今回取材した花輪さん、丸山さんの財布は長財布タイプ!
「お札を折らずに、きれいにしまうことができます。また、お札が何枚あるかもひと目でわかります」(丸山さん)
「多少奮発しても、きれいに使いたくなるような高級財布を選ぶのが◎。大好きな財布なら、お金を管理するのも苦になりません」(花輪さん)
※女性セブン2013年8月22・29日号