がん治療に悩む日本中の患者の救世主となっているのが、慶應義塾大学病院放射線科の近藤誠医師。初診の患者が検査でがんが見つかり、「すぐに手術を受けなければ余命3か月」と宣告されることがある。だが、「それはウソ」と近藤氏はいう。
「初対面で余命を判断することはとうてい無理。仮にがんの転移があったとしても、症状がなく、元気なら、放っておいても半年や1年では死にません」
近藤氏は今年4月に『「余命3カ月」のウソ』(ベスト新書)というタイトルの本を出版。すると、
「セカンドオピニオン外来に来た複数の患者さんに、『余命4か月と言われた』と報告を受けました。“3か月”だと聞こえが悪いと思ったのか、1か月増やしたのでしょう」(近藤氏)
※週刊ポスト2013年8月16・23日号