ビヨンドマックスで打つと軟球の変形が少ない
プロ野球選手などが使用している木製バットは、細かい規定が定められているため、実は改良の余地がほとんどない。しかし、軟式野球で使われる非木製(金属もしくはカーボンを含むFRP製)バットは新素材の開発により、まだまだ飛距離を伸ばすことが可能である。
2002年の発売以来、“飛ぶバット”としてトータル47万本が売れているというミズノ社の『ビヨンドマックス』。このバットの飛距離の秘密も、素材にあった。
「軟式ボールは中が空洞構造のため、衝撃時に大きな変形を起こします。変形が大きいとエネルギーが減少して飛距離が落ちる。ボールの変形を抑えるため、手で触っても変形するほど柔らかい素材の、エーテル系発泡ポリウレタンを採用しました」(ミズノ商品開発課・城市直也氏)
実際に打撃テストを行なうと、同じヘッドスピードでも、ビヨンドマックスの方が従来のバットよりトータルで7mも飛んだ。
さらにミズノは素材の開発を進め、2008年には自動車のサスペンション部分に使う“微細セルエラストマー”を採用。昨年6月には打球感を向上させるために柔らかいウレタン部分を硬い素材で覆った『VX4』が開発されている。
撮影■ヤナガワゴーッ!
※週刊ポスト2013年8月30日号