東日本大震災からおよそ2年半。緊急地震速報が出た際に、やるべきこと、やってはいけないことを、改めて専門家に取材した。ここでは会社にいる際の行動について解説しよう。
“閉じ込め”が最も懸念されるのがエレベーター。最新式のエレベーターでは、震度5以上の揺れを感じると自動的に最寄り階でドアが開くといわれているが、利用しているエレベーターにその機能が備わっているかどうか確かめるのは容易ではない。
災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏が指摘する。
「激しい揺れが始まれば、最寄りの階に着く前にエレベーターが停止する可能性も否定できません。最善のアクションは、速報が出たら即座にすべての階のボタンを押すことです。揺れが激しくなる前に、エレベーターを止めて脱出できる可能性が高まります」
では、もしも、エレベーターに閉じ込められてしまった場合どうするべきか。
「停止しても映画のように天井板をはずして外へ脱出しようなどと考えてはいけません。落下の危険性もありますし、電気系統の配線に触れたら感電の可能性もあります。幸い、日本のエレベーターではワイヤーが切れて箱ごと落下するようなことはまずありませんから、外部との連絡をとりつつ気長に待つしかないです」(同前)
長期戦にはなるが、そこはじっとこらえよう。
※週刊ポスト2013年8月30日号