安倍首相を取り巻く相関図には意外な名前もあがってくる。ジャーナリスト・須田慎一郎氏が指摘する。
* * *
今年6月、コロモフスキ大統領との首脳会談のためポーランドを訪問した安倍晋三首相は、同国の首都ワルシャワ市内で日本の食文化を紹介することを目的としたレセプションを開き、このイベントに合わせてワルシャワ入りした東京の有名寿司店の職人が握るすしが振るまわれた。
「実は、このイベントを陰で仕切ったのが、全すし連(全国すし商生活衛生同業組合連合会)なのです。全すし連が音頭を取る形で、『銀座久兵衛』など3か店の超高級寿司店の職人がワルシャワに乗り込むことになりました」(安倍首相側近)
安倍首相と寿司業界というと、意外な組み合わせと思えなくもないが、実は両者は非常に深い関係にある。
「あまり知られていないが、もともと安倍首相と寿司業界は親密な関係にあり、安倍首相はこの5月に全すし連の名誉顧問に就任している」(全すし連幹部)
どうやら安倍氏は“寿司族議員”でもあるようだ。そしてこうした関係をテコに寿司業界は、安倍首相にある要望を伝えているのだという。これまた意外な組み合わせだが、「カジノ構想」の実現だ。
「カジノ目当てに来日する外国人観光客が、寿司業界にとっても有望な顧客になる可能性を大いに秘めているからです。カジノに来る外国人観光客のほとんどが富裕層であることが予想されますからね」(全すし連幹部)
国内の消費が頭打ちのなか、外国人富裕層に期待するというのは他業界にも見られる動きだが、そもそもカジノは世界的には斜陽産業。いまも成長しているのは中国くらいだが、さて、安倍氏は中国人誘致に一肌脱ぐのか。
※SAPIO2013年9月号