国内

戦時中の朝日新聞 慰安婦強制連行したのは朝鮮人業者と報道

戦時中の朝日新聞が報じた「強制連行」の真犯人とは

「慰安婦強制連行」説を主導してきた朝日新聞だが、近現代史家・ジャーナリストの水間政憲氏は、戦時中の朝日新聞朝鮮版が「慰安婦」についてどのように報道していたかを精査した。新刊『日本人が知っておくべき「慰安婦」の真実』(小学館)の中で、水間氏は以下のように解説している。

 * * *
 朝鮮半島で一般女性を拉致監禁して遊廓などに売り飛ばしていたのは悪徳朝鮮人業者だった。では朝日新聞・朝鮮版では当時のこのような状況をどう伝えていたのだろうか。
 
〈婦女誘拐の一味 遂に送局さる 元釜山府臨時雇らの首魁

 官印偽造、公文書を偽造行使し多数の婦女子を誘拐した元釜山府庁臨時雇釜山府大倉町四丁目五十九番地金東潤(二十七年)ほか七十七名に係る公印偽造、公文書偽造行使詐欺誘拐事件は釜山署で取調中のところ今回取調終了、二十日一件記録とともに身柄を送局したが拘束者は金東潤ほか九名、起訴意見十一名、起訴猶予五名、起訴中止六名、不起訴五十五名である。

 被害婦人は二十八名に上り、このほか南洋方面に誘拐されたものも多数ある〉(『大阪朝日・南鮮版』1939年11月21日付)
 
 他にも悪徳朝鮮人業者が摘発された記事がある。

〈田舎娘など十四名も誘拐 一味送局さる

 京城府蓬莱町四丁目無職裴長彦(五十七年)ほか十一名は共謀して田舎の生活苦に喘ぐ家庭の娘、あるひは出戻り女など十四名を誘拐して酌婦あるひは娼妓などに売飛ばして約一万余円をせしめてゐた事件は西大門署で取調べてゐたが、二十五日一件書類とともに送局した〉(『大阪朝日・西鮮版』1940年6月28日付。写真)

 朝日新聞も「強制連行」の真犯人が朝鮮人だと報じていたのだ。「慰安婦」は当時合法であったにもかかわらず社会問題となったのは、一部で悪徳朝鮮人業者が婦女子を拉致、誘拐していたことによる。そこで、これらの悪質な朝鮮人業者に対し、陸軍省は1938年3月4日に『軍慰安所従業婦等募集ニ関スル件』と題する命令書を発令している。

「(婦女子を)不統制に募集し社会問題を惹起する虞あるもの(略)募集の方法誘拐に類し警察当局に検挙取調を受くるものある等注意を要す(略)周到適切にし其実施に当たりては(略)警察当局との連携を密にし(略)社会問題上遺漏なき様配慮」せよというものである。

 悪徳業者に十分注意し、問題の起こらないように配慮を怠るなという厳命である。

 だが、朝日新聞は1992年1月11日の朝刊トップで、この『軍慰安所従業婦等募集ニ関スル件』を「(慰安婦)募集含め統制」と書き、軍が慰安婦募集に直接関与していた証拠として取り上げたのである。悪徳業者を取り締まるための軍の「良識的な関与」を、あたかも軍が「強制」に関与したかのように報じるのは意図的な事実の歪曲だろう。

※『日本人が知っておくべき「慰安婦」の真実』(小学館)より

関連キーワード

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン