朝ドラ史に残るといわれるほど大人気の『あまちゃん』の放送も、残すところあと1か月。ロケ地、岩手・久慈市は全国から見学ツアーが押し寄せて、かつてない賑わいとか。「1年半前に訪れた被災地も気にかかるし、海女姿が私より似合う記者がいると思う?」とオバ記者が強引に夏の終わりの北三陸を緊急レポート!
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『道の駅くじ やませ土風館』で、アキら海女が着ていた絣半纏(かすりはんてん)、はち巻き、帯、うにを入れる「やつかり」を身につけてで記念写真を撮ったあとは、勉さん(塩見三省演じる琥珀取りの小田勉)が手から放さない琥珀のネックレスのコーナーをのぞく。
「久慈琥珀は約8500万年前の樹脂が地中に埋まり、長い年月を経て固まったものです。みなさん手にするとその軽さと透明度にビックリされます」(久慈琥珀店員の貫牛洋子さん)
さて、久慈市、最大の名所といえばドラマの中では「袖ケ浜」となっている小袖海岸だ。
久慈駅から車で約30分の海岸で、オープニングでアキが灯台までの防波堤を走るシーンでもおなじみ。アキが夏ばっぱに海に突き落とされたのも、うにを初めてとったのもここだ。
海女センター前で海女さんが「はいよ」とオバの手にのせてくれたトゲトゲのうにがうに~っと動く。
1個500円を払うとその場でカラを割ってくれ、スプーンでチュルとすすれば思わず「あま~い。日本酒ちょうだい」。
4月からは臨時バスが運行され、土日祝は混雑のため、マイカー規制をしている。7月末から9月末までの土日祝日は素潜りの実演を行っていて見学料は1人500円。今までは1日1回の実演だったが、この夏は3回に増やしたそう。
うに漁を終えた海女さんは
「ドラマが始まって、じぇじぇじぇ!って本当に言うのかって聞かれるけど、小袖では当たり前に使ってるよ。“本気漁り”ってのも本当にあって、その日はみんな好きなだけとるんだよ」と教えてくれた。
夏ばっぱほか海女たちや、最近ではユイちゃん(橋本愛演じるアキの親友)も働いている喫茶&スナック『梨明日』にもモデルがあって駅から徒歩3分の『喫茶 モカ』。
ドラマが始まる前にNHKの美術担当者がたびたび訪れたそうで、照明やインテリア、店外のガラスに書かれているメニューの種類、並び順もそっくり。カウンターの高さも同じで、ドラマでたびたび登場するナポリタンもある。
「昨年の撮影のときはキョンキョン(アキの母・春子役の小泉今日子)がひとりでふらっと来たんです。ちょうど『女性セブン』の表紙がキョンキョンだったんでそれを渡すと、熱心に読んでましたよ(笑い)。
ぜんぜん飾るところがない人で夜ひとりでスナックに行ってお客さんといっしょにカラオケで歌ったとか。うちの卵サンドを気に入って、『鶴瓶の家族に乾杯』(NHK)のロケでも来てくれたんですよ」
※女性セブン2013年9月12日号