女性をターゲットにした「風俗市場」が活況を呈している。女性向けAVや風俗産業まで登場するなど、男性顔負けのこれらの市場を利用する女性たちは何を求め、何を考えているのか。様変わりした日本女性の性意識を追った。
ネットでアダルトグッズを購入する女性も増えている。東京・新宿にある専門店、『LOVELY POP』店長の渡辺ゆきこさんはこう語る。
「以前は男性目線のリアルなバイブばかりでしたが、最近は素材に医療用シリコンを用いた見た目にもオシャレなものが増えています。お客様のなかには使用感たっぷりの愛用バイブをわざわざ持ってきて『もっと気持ち良くなるものはないでしょうか』という20代の女性もいました。
男性は性欲処理の手段がたくさんありますが、女性にはそれがない。セックスも自分本位の男性が多いから、女性は不満が募る一方なんです。女性の性に対する関心が高まってきたのは当然と言えるでしょう」
客層はさまざまで、わざわざ遠方から出向く年配女性もいるそうだ。
「閉経後は女性ホルモンが減り、相対的に男性ホルモンが増えるので、若い子より悶々としている女性が多いように感じます。
たとえばローションをお買い求めになった70代女性は『主人が浮気ばかりして悔しくて仕方がない。これを使えば自分のところに戻ってくるかも』と切実な思いを口にしていました。
ずっと通販を利用していた中国地方の70代女性が、バイブの実物を見るためわざわざ新幹線に乗っていらっしゃったことも。ご自分の性感帯を熟知されていて『私は軟らかくて細いタイプじゃないとダメなの』と仰っていました」
※SAPIO2013年9月号