「肉は太る」とか、「胃にもたれる」なんて、思い込んでいませんか? 肉が美容と健康にいいことを知れば、中高年にこそ、お肉が必要だとわかる。そこで今回は肉にまつわる疑問を人間総合科学大学保健医療学部長の柴田博さんが解説してくれた。
Q:肉は太るし体に悪いのでは?
A.:中高年にはむしろ必要。動脈硬化も防ぐ
「飽食の時代といわれ、昨今のメタボ=悪という認識から、実は日本人の動物性たんぱく質摂取量が減り、カロリー不足の傾向に。肉にはオリーブ油やナッツ類と同じく、オレイン酸が多く含まれており、動脈硬化を防ぐなど血管を強くするメリットも。カロリーを控える ならば、むしろ炭水化物などで調節して。ちなみに日本人に適正な肉の摂取量は1日60~100g程度。また、肉を極端に控える生活は、筋肉や代謝が落ちるばかりか、精神的に不健康になることもわかっています」(柴田さん)
Q:菜食と肉食、どっちが長寿?
A:肉食主義者のほうが断然長生き
「40年間にわたり約1900人の高齢者を調査・研究したところ、動物性たんぱく質を多く摂取している人ほど長寿であることが判明。そもそも日本人が農耕を始めたのは、ここ1万2000年のこと。それ以前の狩猟採集生活のほうが圧倒的に長く、肉食が中心でした。日本人の平均寿命が昭和40年代に入って一気に延びたのは、肉の摂取量が増えたことで成人病が減少したため、といわれています」(柴田さん)
Q:肉生活は美容にもいい?
A:肌や筋肉は肉の良質なたんぱく質でしか作られない
「たんぱく質は大豆やお米などでも摂れますが、必須アミノ酸を効率良く摂れるのは断然肉。必須アミノ酸には、 筋肉を作ったり、肌の代謝機能を促し老化を防ぐ働きがあります。逆に、必須アミノ酸を含まないコラーゲンをいくら摂っても、肌の組織自体を構成することは できません。美にとっても、肉は必要不可欠な食材なのです」(柴田さん)
※女性セブン2013年9月12日号