『デーブ・スペクターの作り方』(東京書籍)を上梓したスペクター・コミュニケーションズ社長で放送プロデューサーのデーブ・スペクターの妻である京子スペクターさん。
デーブは以前、アメリカの三大テレビ局のひとつABCのプロデューサーだったため、国内外のテレビ番組にも精通している。海外のテレビ番組を日本に、日本のテレビ番組を海外に紹介している。
デーブが全米に広めたもののひとつに、1980年代に一世を風靡したバラエティー番組『風雲!たけし城』(TBS系)がある。
「それまでアメリカでは日本人というとまじめで堅苦しいイメージでした。でもデーブが全米テレビで『風雲!たけし城』を紹介するとまたたくまにアメリカ中が熱狂しました。ばかばかしい企画に体当たりで挑戦する日本人の姿が、アメリカ人にはおもしろく映ようです」(京子さん・「」内以下同)
一方、日本の海外ドラマブームを仕掛けたのもデーブだった。
「テレビ局の制作スタッフに“今、アメリカではこんなドラマが流行っている”といち早く情報提供し続けていました。数え切れないほどありますが代表的なものとして『ER 緊急救命室』と『24』。関連グッズなども取り寄せて、テレビ番組で紹介していました」
デーブが日本のあるものを全米のテレビで紹介したことによってハリウッドスターの間でブームが巻き起こったものがある。
「温水洗浄便座、いわゆるウォシュレットです。 1980年代にアメリカのワイドショー『ホームショー』の生放送でデーブが紹介。実物がないと説得力がないといって、わざわざ飛行機で運びました。アメリカ人のほとんどが見てるような番組だったので、大きな話題になりました。その影響でしょう。その後、マドンナやウィル・スミスはウォシュレットを愛用していますし、インタビューでウォシュレットに感激したと語っていました。レオナルド・ディカプリオも自宅にウォシュレットを設置しています」
日米交流のかけ橋となっているデーブだが、その陰ではたゆまぬ努力を続けている。
「毎日、何百通というメールや電話がアメリカ、日本のプロデューサーたちから来るんです。
とくにアメリカは時差がありますから、夜中でも電話やメールが来る。それを夜中の3時だろうが受け答えし、調べ物を頼まれたらすぐにやる。そのため、睡眠時間は3時間とれたらいいほうです」
※女性セブン2013年9月12日号