男性週刊誌では「女性器」特集が花盛りだ。なぜ男性は、女性のアソコにそこまで興味があるんだろう。
<人前では決して開かないでください>−−そんな惹句とともに、電車の中吊りや新聞広告に躍る「女性器」の文字。男性誌の間では“女性器ブーム”が続いている。
男性誌の「女性器記事」を見ると、大きく3つに分類できそうだ。
【1】海外のアーティストによる石膏で象った女性器を紹介するなど、「芸術としての女性器」をグラビアで見せるもの。
【2】セックスにおいて女性をもっと気持ちよくさせる手段として、女性器への愛撫の方法を紹介する「テクニック指南」。
【3】クリトリスや大陰唇などの役割や、最近増えているという女性器の美容整形について解説する「医学的な解説」だ。
某男性週刊誌で「女性器担当」を自任する男性編集者に、女性器記事の人気について聞くと、次のような答えが。
「特大号など、ここぞという勝負の時は女性器特集ですね。やっぱり読者の食いつきが違います。インターネット等でどれだけ女性器が無修正で見られるといっても、中高年の人たちには、まだまだ神秘的な存在。もっと女性器について知りたいんです。とはいえ、誌面に女性器そのものを出すことはできませんから、どうすれば読者に喜んでもらえるか、知恵の出しどころです」
そこで考えられたのが、前述の3つの記事というわけだ。
『世界の下半身経済が儲かる理由』(アスペクト)などの著書があるエコノミスト・門倉貴史さんは、こう分析する。
「ぶっちゃけて言えば、芸術的、学術的、医学的なアプローチはカモフラージュですね。日本はわいせつ文書に関してかなり厳しい規制があるので、芸術や医療ものとして扱うことで、わいせつさを弱める意味合いもあるのでしょう」
袋とじを開ける期待感の大きさから、「もうちょっと見たかった、というお叱りを受けることもあります」(前出の男性誌編集者)というから、男性読者の女性器への情熱はかなりのもの。
そうした女性器への興味には世代格差を感じると語るのは、元AV女優で漫画家の峰なゆかさんだ。
「若い男性は女性の顔とか胸に興味があって、女性器への愛着はそんなにない。それが徐々にお尻や足など下半身へと移って、50代以上になると“最終的には女性器がいちばん”という男の人が結構いるんです」
峰さんはこうした「女性器が見たい」という男性が多いことは、「うれしい」と話す。
「男性は、最初に女性器を見た時に、想像していたのと違ってグロテスクだから、ショックを受けるようなんです。それが年とともに、経験を重ねるごとに、女性器への愛情が湧いてくるんじゃないでしょうか。それは、他ならぬ女性自身への愛情と深く結びついていると思います」
女性器の解説などで男性誌に時々登場している成城松村クリニックの医師・松村圭子さんは、そんな男性誌の記事をどう見ているのだろう。
「女性器に対してオープンになり、異性の体の構造を知ることはいいことだと思います。ただ、男性誌の記事は、マニュアルを求めすぎているなぁという印象がある。相手に対する思いやりというより、ただ見たい、知りたいという欲求が前面に出ているのは、女性としては不安です」
※女性セブン2013年9月12日号