IOCの調査によると五輪開催に賛成する都民は70%で、候補3都市のなかで最低。巨額の税金が投入され、都民の生活にも大きな影響を与えるイベントなので、賛否は当然だ。
そこで本誌は、ともに東京出身で前回の五輪を知る2人に登場願った。片や五輪開催に慎重な立場を取るコラムニストの小田嶋隆氏(56)。片や待望派の経済アナリスト森永卓郎氏(56)。2人のバトルやいかに。
──もし実現したとして、東京五輪に何を望みますか。
森永:一番心配なのが、警察が過剰な警備を敷いてがんじがらめにしてしまうこと。東京は「コンパクト五輪」をうたっていますが、そのエリアが政治・経済の中心地に重なるんです。
実はロンドン五輪はそれで失敗して、中心部で閑古鳥が鳴いてしまった。東京でそれをやったら経済的に大きなダメージを受けます。
小田嶋:役人のように責任とりたくない人ほど、過剰にやりがちですからね。
森永:私がメイド服でマラソンの応援に出ても、逮捕しないでほしい(笑い)。
小田嶋:私は日本人のホスピタリティと安全な社会があれば、東京五輪は必ず成功すると思う。
ただ、開会式と閉会式がくだらなすぎる。2007年の大阪世界陸上では、開会式に「くいだおれ人形」がたくさんでてきたり、少人数でしょぼい人文字を作ったり。「お笑い都市」どころか、凍りつきましたよ。
役人的な発想で、勲章をもらうような年代の人たちを総合演出に据えてしまうからです。宮藤官九郎さんとかもっと下の世代、せめて40代以下の人たちに任せてほしい。
森永:開会式は秋元康プロデュースで、AKBグループが勢ぞろいするぐらいだと面白いんだけどなァ。ついでに東北復興も合わせて『あまちゃん』のGMTが出てくれば、もっといい!
※週刊ポスト2013年9月13日号