“景気のリトマス試験紙”ともいわれるタクシーの運転手たち。彼らは一体景気が上向いていると考えているのか。そこで緊急アンケートをとり、彼らに今後、景気の見通しはどうなると思うか聞いてみた。
すると「よくなる」と回答したのは18%。「わからない」、「悪くなる」、「変わらない」とする声が圧倒的に多い。
「多少は景気がよくなった気もするが、同時に物価も上がっている。富裕層だけでなく、裾野まで広がらないとタクシーなんて乗らない」(60代個人)
「チケット利用のお客さんは稀。企業は未だに経費節減に努めていて、よくなると思えない」(40代法人)
今回の調査では、「わからない」と回答した人が43%と目立つ。多くの運転手が、見通しの立たなさに関して、「消費増税」の影響をあげているからだ。
消費税は来年4月に8%、再来年の10月に10%に引き上げられる。ただし、これには経済状況によって見送ることもあるという「弾力条項」を設けたために、安倍首相が今秋の臨時国会を目途に最終判断する。
ある中堅タクシー会社の50代運転手はこう話す。
「会社と関東運輸局の話し合いでは、現在の710円の初乗り運賃は730円になる見込みだという。利用者、売り上げが減るでしょうから、完全歩合制の私たちには大きな心配です」
40代の法人運転手も口を揃える。
「長距離は期待できず、ワンメーターや近距離のお客の乗車率を上げて細かく稼いでいるのに、増税が決まれば、お客さんが離れていっちゃうよ」
※週刊ポスト2013年9月13日号