今年の夏は暑かった。気象庁によると、8月中旬の平均気温は全国的に平年を2℃以上上回り、統計史上1位の暑さだという。そんな異次元の夏に、人気のスポットや商品も明暗くっきり分かれた。まずは勝ち組から。
「今年は例年にも増して熱中症対策の意識が高まり、男性用日傘がヒットしました」
と話すのは、トレンドウオッチャーのくどーみやこさん。
東急ハンズ・広報の大嶋美佳さんによると、「新宿店では、今年は去年、一昨年に比べて40代以降のお客様からのお問い合わせが特に増えた」という。
「取り扱い数が増えたこともありますが、8月第3週の売り上げは前年比約700%(売上金額・全店ベース)と伸びています。今年は日差しの強い日が多く、営業など外回りをする男性にとってもつらい日が多かったので、人気が出たのだと思います」(大嶋さん)
また、「屋内でも涼しく過ごすために、機能性下着もヒットしました」と、くどーさんは言う。女性用衣料品の通信販売を行うセシールでは、放熱効果によってさらっとしたはき心地のキシリトール加工を施した『COOL着圧美脚』シリーズが好調な売れ行きだった。
「このシリーズのトレンカとレギンスは、発売当初の2年前と比較すると、トレンカが約2倍、レギンスはなんと約5倍と販売数を大きく伸ばしています。今夏は非常に暑かったため、以前から人気のある吸汗速乾機能だけでは足らず、接触冷感の機能もついた商品にもニーズがあったと考えられます」(ディノス・セシール広報室・秋山強さん)
暑さを防ぐことはもちろん、衣料品でもヒンヤリ清涼感を感じさせることがヒットの要因といえる。
一方、苦戦したのが季節を問わないはずのデニム。
「オシャレ定番アイテムのデニムも、今年ははいている人が少なかったと思います」(くどーさん)
ほかの季節に比べて、夏はデニムの売り上げは少なくなるというが、「今年の夏は、例年にも増してデニムの売り上げが落ちている」と都内のデニム専門ショップの販売員は話す。また、Tシャツや短パンといった夏の定番アイテムも、今年は思いのほか不調に。
「何年も猛暑が続いているため、ひと通り購入してタンス在庫があるので、新規購入する人が減りました。お盆あけに少し売れた程度です」(船井総合研究所の上席コンサルタント・岩崎剛幸さん)
※女性セブン2013年9月19日号