かねてから「チャリティーといいつつ利益を得ているんじゃないか」「タレントにギャラを払っているんじゃないか」などと批判を受け続けているだけあって、「カネの臭い」を消すためには細心の注意を払っていたようだ。日本テレビ『24時間テレビ』のことである。
本誌が入手したのは同番組のスタッフに配られた「注意書」の一部。今年はチャリティーの一環として、世界的デザイナーの草間彌生と「嵐」の大野智が共同でデザインした1枚1500円の「チャリTシャツ」が販売され、105万枚を売り上げた。単純計算でも総売上額は15億7500万円!
もちろんチャリティーとはいえ、巨額のカネを生む品物。だからこそ、このTシャツにまつわる表現については、注意書で徹底的に統制されていた。
■商売を連想させる下記のワードはNGで、このように言い換えます。
×販売 → ○取り扱い
×発売中 → ○取扱中
×ご購入 → ○お求め
×「このグッズの売り上げの一部がチャリティーになります」、または ×「利益が募金になります」 → ○「このグッズの収益金がチャリティーになります」
注意書きには、さらにこう記してある。
■「グッズの売り上げの一部がチャリティーになります」というような言葉を使用すると、「一部ということは、儲けも出ているのではないか」という問い合わせもきてしまうため、「グッズの収益金がチャリティーになります」という表現で統一します。
ある日テレ社員がいう。
「こんなお達しがあったのは、『FLASH』(8月13日号)で出演者たちのギャラの明細や、CMによる収入が22億円と報じられたことが大きい。“実は儲けている”という批判をかわすために、局も必死なんです」
崇高な理念からの活動のはずなのに、ここまで気を遣わなければならないなんて……。チャリティーとは、難しいものなんですね。
※週刊ポスト2013年9月20・27日号