「フジテレビ長谷川豊アナ 懲戒処分」のニュースが流れたのは、昨年6月11日のことだった。
事の発端はこうだ。2010年9月に突如決まった長谷川のニューヨーク赴任に際し、彼が手配していたマンションについて、現地支局側は不動産会社に無理な値下げを要求し、入居交渉が決裂しかけていた。
このままだと赴任しても住む家がない…。そんな危機的状況の中、長谷川は自ら不動産会社に掛け合い、値下げ分を先に自分が支払うことで、契約を成立させることにした。この時、そのお金を「敷金」として会社の仮払金で支払ったが、これが「滞在費の不正使用」と判断されたのだ。
長谷川は支払う前から再三にわたり、「いったんの立て替えであって、帰国時に全額自分で払う」という旨を会社に伝えてあったが、会社は「業務上横領」という名目で、降格とニューヨーク支局勤務の解職、そしてアナウンス室からの異動という処分を下した。
「あの日(昨年6月11日)、ニューヨークから東京本社に呼び出されたぼくは、人事局長室で一方的に処分を告げられました。“事実と違います”と伝えても聞く耳を持ってくれない。会社を出てから、すぐ妻に電話しましたね。“おれ、会社辞めるわ”って」(長谷川、以下「」内同)
その後、家族の支えもあり、冷静に今の状況を受け止めた長谷川。自分に何が起きているのかを調べるため、しばらく会社に残ることを決意した。そして昨年7月、日本に戻り、異動先である著作権管理部での勤務が始まった。
「新入社員扱いに降格したので、年収はそれまでの1200万円から680万円にまで減りました。これでも世間の平均からすれば充分に高いのですが、以前の収入に合わせて住宅ローンを組んでいるので、生活は大変でした。あの日から、100g100円以上の肉は買ってませんね」
そこから8か月、密かに、社内で自分が処分されるに至った事情を調べ上げた長谷川は、今年4月1日付でフジテレビを退職。翌2日に自らの潔白を証明するためにブログを立ち上げた。
決して横領ではないこと、当時の人事部とやりとりした証拠メール、社内に自分を貶めようとした幹部がいること…などなど。元アナウンサーがフジテレビの不正処分の真相を明かしただけに、ブログはすぐに注目を浴び、日を追うごとに世間の目が変わってきた。
<おかしいのはフジだ>
<長谷川さん、頑張って!>
こうした応援コメントも続々と寄せられるようになった。
※女性セブン2013年9月19日号