芸能

一発屋芸人の急増はギャラ体系の変化とスクール開設も影響

 近年、いわゆる“一発屋”と呼ばれる芸人が出ては消え、出ては消えという状態が続いている。ムーディ勝山、小梅太夫、ヒロシ、波田陽区、髭男爵……などなど挙げればキリがないほど。昨年、「ワイルドだろぉ」で流行語大賞を受賞したスギちゃんや、今年、前田敦子の物真似で大ブレイクしているキンタロー。も、近い将来、一発屋芸人の仲間入りするのではないか、との声が上がっている。

 とはいえ、以前より確実に一発屋芸人が増えたように思えるのだが、どうしてだろうか? その背景には、2000年代に入り、芸能事務所のギャラ体系の仕組みの変化が大きく影響しているという。芸能関係者が語る。

「1990年代までは、ギャラの9割は事務所が持っていき、タレントには1割しか入らないケースもよくあった。事務所が1人のスターを育てるために、多額の投資をする必要があったからです。タレントも、ギャラが少ない不満はあっても、『事務所が守ってくれる』という安心感がありました。

 しかし、最近は芸能事務所がタレントを育てるという意識が薄くなった。その背景には、タレントのギャラの取り分が多くなったことが挙げられます。もちろん、事務所やタレントによって千差万別ですが、事務所が4割で、タレントが6割。それ以上にタレントが持っていくこともあるそうです。

 今の事務所は、“タレント予備軍”も多数控えているし、そうなると『人気のあるうちに取れるだけ仕事を取ってこよう。飽きられたら、また次が出て来るだろう』と思っても不思議ではありません」

 実際、事務所関係者によると、同じ3年間でも、継続的な人気を誇る1人のタレントよりも、一時期に爆発的な人気を誇るタレントが1年に1人出てくる方が実入りはいいという。

「特に、お笑い界はそれが顕著です。どの事務所も、お笑いスクールを作り、そこから資金を集める。毎年、恒常的に授業料という名の収入が入ってきますし、それなりに優秀な生徒も入ってくる。使い捨てても、大量生産できるシステムを確立したので、事務所にとっては安心なのです」(同前)

関連キーワード

関連記事

トピックス

山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
「衆参W(ダブル)選挙」後の政局を予測(石破茂・首相/時事通信フォト)
【政界再編シミュレーション】今夏衆参ダブル選挙なら「自公参院過半数割れ、衆院は190~200議席」 石破首相は退陣で、自民は「連立相手を選ぶための総裁選」へ
週刊ポスト
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波も(マツコ・デラックス/時事通信フォト)
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波、バカリズム脚本ドラマ『ホットスポット』配信&DVDへの影響はあるのか 日本テレビは「様々なご意見を頂戴しています」と回答
週刊ポスト
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
もし石破政権が「衆参W(ダブル)選挙」に打って出たら…(時事通信フォト)
永田町で囁かれる7月の「衆参ダブル選挙」 参院選詳細シミュレーションでは自公惨敗で参院過半数割れの可能性、国民民主大躍進で与野党逆転へ
週刊ポスト
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
NEWSポストセブン