上司や大手芸能プロダクション幹部など強いものには平身低頭でも、自分より立場の弱い者には高圧的に接する。そんなテレビマンが多いのもまた事実だ。
それを痛感しているのが、プロ野球のテレビ中継が激減するなか、過酷な“就職活動”を強いられている解説者たちだ。キー局の専属解説者なら年収1000万円は固いといわれるが、そんなポストにつける選手はごく一部。OBたちの多くは悲惨な目にあっている。
パ・リーグ出身のある解説者がいう。
「球団でコーチをしていた頃、よく世話をしてやったテレビ局のディレクターがいた。その頃は“僕、現役の頃大ファンだったんです”なんてペコペコしていたのに、こないだ仕事で会った時はまるで態度が違った。“これぐらいのことやってくれないと困るんスよね~”とふんぞり返って、上から目線。それでも背に腹は代えられない。単発の仕事でもいいからぜひ使ってくれないかとひたすらに頭を下げ続けた」
特に辛い思いをしているのは、意外なことに巨人OBだという。
「地方球団出身選手なら、地方局の馴染みの社員が温情で仕事を振ってくれることが多い。しかし巨人OBの場合、地方メディアとのコネがないから苦労するんです。だから尊大なキー局の若造にへりくだるしかない」(別のプロ野球OB)
※週刊ポスト2013年9月20・27日号