投手の投げ過ぎについて、まったく持論が異なる名投手・桑田真澄氏と金田正一氏。桑田氏は球数を抑えるべきと唱える一方、金田氏は「とにかく投げ込め」と断言。まったく持論が異なる二人が、現在のプロ野球の登板間隔について激論を交わす。
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桑田:今の日本のプロ野球の投手は休みすぎですよね。
金田:ワシらの頃は中4日でも休みすぎと思っていたが、今は中6日が普通。5日、6日も空くと、精神的にもたつくんだ。勝利への執念が薄れ、体に対する別の緊張感が出てしまう。
桑田:僕も6日もあると、1日、2日、ボーッとしたり遊んでしまうんですよね。僕はこの先、ユニフォームを着ることがあれば、選手にはぜひ中4日で投げさせたいと思っています。もちろん球数制限は必要になるので、少ない球数で完投する技術が求められる。
その球数制限についても一言。日本ではメジャーの「100球制限」が誤解されているんです。あれはメジャーが中4日だから球数を限っているのであって、日本のように中6日では意味が違う。ボクがピッチングコーチなら、もっと投げさせますよ。実際、メジャーでは4日の休みのうち、2回もブルペンに入るピッチャーがいますからね。
金田:形だけマネをしてしたり顔する、メジャーかぶれの大馬鹿者が多い。
桑田:今年、東大のピッチングコーチをやらせてもらってますが、ピッチャーには1週間に1回しかブルペンに入らない今までのやり方はダメだといっています。週に3回のブルペン、週1は試合のマウンドに立って傾斜地での投球をしろと。
とにかくいいフォームをマスターするには傾斜地で投げることが必要で、傾斜地でバランス良く投げられるフォームが身に着いたら、それを強くするためにも投げないとダメです。
金田:肩を使うから故障するのではなく、無理をするから壊れる。
桑田:金田さんをはじめ先人が残してくれた知恵と、最先端の知識をうまくミックスして、さらに野球技術のレベルアップを図らないといけないでしょうね。
※週刊ポスト2013年9月20・27日号