木や竹を使用した箸を3か月以上使い続けると、それらの箸を使わない場合に比べて、がんになる確率が5倍になる可能性がある──との学説が中国で発表された。これは木や竹製の箸の場合、食品の成分が箸の表面に付着し、強力な発がん性の毒素に変化するためだ。
中国のニュースサイト「浙江在銭」によると、この学説を発表したのは湖南省結核予防センターの唐細良所長で、唐氏は中国衛生省食品衛生標準専門委員会委員も務めている。
それによると中国の箸の場合、3か月から半年間使用し続けると、付着した食品の成分が変化し、ブドウ球菌や大腸菌などが発生する。最悪の場合、アフラトキシンという強力な発ガン性の毒素に変化することもあるという。
東京都福祉保険局のホームページによると、アフラトキシンはアスペルギルス・フラバスというコウジカビの一種から発生することが分かっている。
アフラトキシンには、アフラトキシンB1をはじめB2、G1、G2、M1などの種類があるが、なかでもアフラトキシンB1は天然物でもっとも強力な発がん物質として知られている。
人に対する急性中毒の例としては、インド、タイ、フィリピン、ケニアや南アフリカでみられているが、日本では例がない。また、アフラトキシンはピーナツなど輸入品からの検出例が多数報告されているが、国産品から検出されたケースはないという。
日本の箸は表面には何重にも漆塗りが施されているが、中国の場合、箸の表面はほとんど加工されておらず、箸にカビが付着しやすく、それがアフラトキシンに変化する可能性がある。
このため、中国の旅行する際には変色した箸を使うことが避けて、「マイ箸」を用意していった方がいいかもしれない。