ラジオパーソナリティーとして番組でリスナーからさまざまな相続の話を聞いてきた生島ヒロシ(62才)。自身は東日本大震災で肉親を失う経験もしているが、60才を過ぎたら万が一のために相続のことを考えておくべきだという。生島はこう語る。
* * *
相続について考えることは「縁起でもない」とタブー視されがちです。でも、それは必ずしも自分や親の死を考えることではありません。逆に生きる目的を見出す人も多いのです。
人間はいつか必ず死にます。そして、死がいつ訪れるかは誰にもわかりません。私がそのことを強烈なインパクトとともに実感したのは、あの東日本大震災が起きた2011年3月11日のことでした。その日、宮城県気仙沼市を襲った津波に、妹夫妻がのみこまれてしまったのです…。
私のように60才を過ぎた人は、万が一のときのために、きちんと相続のことを考えておくべきでしょう。基礎控除額が引き下げられることで、2015年以降は相続税を払う人が増えます。財産が多い人は、遺される家族のためにも節税対策を考えておく必要があります。
なかなか子供からは切り出しにくい話題ですが、どこかできっかけをつかみ、きちんと親と話し合ってほしいと思います。親には絶対に「遺された家族に幸せに暮らしてほしい」という気持ちがありますから。
私は「3.11」以降、「一日一生」という言葉をよく色紙に書いています。「今日死んでもいい覚悟で、一日一日を大切に生き抜く」という意味です。人間は明日が当然来るように思い込んでいますが、そうではないことが私はよくわかりました。
死はいつやって来るかわからない。愛する家族たちに仲良く暮らしてもらうためにも、今から準備した方がいいのです。
※女性セブン2013年9月26日号