8月22日の早朝、藤圭子さん(享年62)が東京・新宿の高層マンションから飛び降り自ら命を絶った。2010年8月から人間活動のため、歌手活動を休止しロンドンへ移住していた宇多田ヒカル(30才)は、その5日後の8月27日にようやく母と対面した。
そして、ヒカルはすでに日本を離れ、移住先のロンドンへと帰っていた。市内を流れるテムズ川の北側、遊覧船やボートがゆっくりと運河を行き来するリトル・ベニスと呼ばれる場所からさらに東へ数km離れた街に彼女はいた。そこでは、恋人で画家の福田天人さん(38才)と、近所のスーパーで買い物をする姿や、通りを散歩する姿が目撃されていた。
ヒカルにも会ったことがあり、母を亡くした彼女を気遣う福田さんの祖母が言う。
「(ロンドンの)天人からは電話も手紙もないわ。まぁ、何も連絡がないのが元気の便りと思ってるから。元気にしてる証拠やな。そやけど、おばあちゃんは心配してるんよ」
9月中旬のある雨の日。夜7時頃、ヒカルの自宅の前に1台のハイヤーが止まった。家のドアが開くとヒョウ柄のワンピースに黒のブルゾンを羽織ったヒカルが現れた。
彼女が向かったのは、アート系やハイストリート系のイギリスらしい店が集まるロンドンの中心地コヴェント・ガーデン。フランス料理で有名なブラッセリーで、イギリス人の友人男性らと食事の約束をしていたのだ。
日本での母との対面で、喪失感に襲われたような表情を浮かべていたヒカルだったが、その日の彼女の顔には笑顔が弾けていた。
たばこ休憩を挟みながら、食事や酒を楽しみ、一行が店を出たのは深夜0時少し前。再びハイヤーへ乗り込むと、夜の街へと消えて行った。別の日にも、オーガニックスーパーなどへ買い物に行くヒカルをたびたび目撃。
「彼女は以前と変わらない、普通の生活をしていますよ。毎日決まった時間に起きて、食事を作って食べて、時には恋人と過ごしたり、友達と外食したり。そんな普通の生活をするなかで、彼女はお母さんの死を受け入れ、悼もうとしているんだと思います」(ヒカルを知る人)
※女性セブン2013年10月3日号