インターネット上に転がっている、ニュース&小ネタの正しい読み解き方について、考古学的レビューブログ『みたいもん!』管理人・いしたにまさき氏が解説。今回は、マスコミとネットユーザーの関係性について。
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9月2日、埼玉県の越谷・春日部地域で、突然竜巻が発生しました。日本での竜巻の被害が珍しかったことや、真っ昼間の災害であったこともあり、ツイッターを中心として、その被害状況が写真で多数アップされました。その中でも、発生直後、まさに竜巻が舞っている臨場感のある写真をアップした高校生のつぶやきに、マスコミ各社から写真提供依頼が殺到しました。
許可もなく写真掲載したくないという配慮があったと思うのですが、それが他のツイッターユーザーからも見えてしまったことで、「まずは被害者の心配をしたらどうか?」というような声も多く寄せられました。
投稿主の高校生は、報道に自分の写真がとりあげられたことを素直に「なんで写真あげるだけでお金もらわなきゃいけないんですか?」と喜んでいましたが、この出来事はいろいろな問題を同時に投げかけています。
速報性では、すでに現場にあるスマホにマスコミが勝つことはもう不可能です。だからといって役割が終わるわけではなく、現場にいる人には見えない情報などで補完し、正しい状況を伝える必要があります。ただ、こうして取材姿勢も丸見えになってしまうことを、取材現場は意識しておくべきなのでしょう。
そういう取材姿勢のあり方も合わせて、報道の価値が問われる時代になってきています。
※女性セブン2013年10月3日号