好景気だといいながら、アベノミクスが私たちの生活に与えた影響は、値上げの波。消費増税も控えた今、私たちを救う節約術とは?
「スーパーに行って、ここ1年で値上がりしていない商品を探すほうが難しい」
と話すのは、経済評論家の平野和之さん。なぜ物価は上がってしまったのだろうか?
「猛暑や豪雨、雨不足といった天候不順による農作物の不作が招く野菜価格の高騰。加えて原油高、さらにアベノミクスによる円安の影響ですね。
円安は輸出企業の収益を改善させる効果はありますが、日本は食料のおよそ6割を輸入に頼っているため、輸入価格の値上がりは、そのまま食卓に跳ね返ってきます」(平野さん・以下「」内同)
また、中国など新興国の人件費が高騰しているといった付随要因もあるという。
これに加えて、来年4月に消費税が8%になれば、怒濤の値上げラッシュが続く。もし消費税アップが現実となったとき、家計はどうなるのか。「年収500万円の4人家族」を例に、平野さんに試算してもらった。
「消費税が8%になると年間約7万円の負担増となります。また、国が目標としている物価上昇率2%アップを想定すると、さらに約11万円のプラス。つまり今より約18万円、余分にかかるという計算です」
さらに2015年10月からの消費税10%が実現すると、11.5万円の負担増。さらに物価は毎年2%ずつ上がっていくという想定があるため、毎年11万円ずつ出費が増える。
「こういった“値上げ”を上回る賃金上昇がなければ、どの家庭も年々貧乏になっていくでしょう」
しかし、現実には、給料がアップしているという話は聞こえてこない。
「アベノミクスとは企業の収益を上げて、給料に反映させるというプロセスを踏むため、この経済政策が成功しても、賃金が上がるまでにはタイムラグがあるんです」
たとえアベノミクスが成功しても、豊かさの実感にはほど遠い見通しだ。
「しかも、企業が儲けたお金は給料ではなくボーナスで社員に還元する会社が多いでしょうから、安定的に生活が潤うのには相当な時間がかかると思います」
※女性セブン2013年10月3日号