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異常気象で地下室設置や瓦屋根減少など住環境変化の可能性も

「数十年に一度」という大雨や突風を伴って日本列島を縦断し、全国各地に大きな爪痕を残した台風18号は、改めて私たちが「異次元の気象」を生きていることを痛感させた。今夏の猛暑や豪雨、竜巻など、これまで経験したことのないような異常気象が続くと、当然ながら我々の生活も変容してくる。人は天気によってどう行動を変えるのか。

 信州大学経済学部で行動経済学を教える真壁昭夫教授が解説する。

「人は晴れの日は何となく気分がいいから外に出て消費します。一方、雨の日は気分が沈み、外出意欲が減る。当然レジャー関連の消費も減るでしょう。週末、雨が降るのと降らないのとではスーパーの売り上げが10%以上違ってくるといわれています。もし豪雨や竜巻など、不安が増幅される現象が続くと、消費経済にダメージを与えかねません」

 さらに、気候によって日本人の暮らしも変化すると、真壁さんは続ける。

「今年は寒い冬が終わったと思ったら、すぐに梅雨が来て猛暑に突入しました。いわば春がなかったんです。ということは春物衣料も売れませんし、春先が旬の野菜を見る日も少なくなる。気候に応じて生活スタイルを変化させざるをえないのです」

 衣食だけでなく、“住”への対応も迫られる。

「アメリカの竜巻が多い地域では、避難場所としてどの家にも地下室があります。もし今年のような竜巻被害が頻繁に起こるようだと、日本人の住宅への考え方も変わってくるでしょう」(科学ジャーナリスト・大宮信光さん)

 そこにあるのは、もはや四季を味わうことで文化を育んできた日本ではないのかもしれない。瓦屋根のような昔ながらの造りでは異常気象に耐えられない。住宅改造のみならず、住む場所を移す人も出てくるだろうと話すのは、防災都市計画研究所所長の吉川忠寛さんだ。

「風水害が予想される場所に住む人には、自治体からの土地利用規制があるかもしれません。要は、安全な場所への引っ越しを促されるということです。異常気象によって、人の住む場所さえも変えていかなければならないのです」

※女性セブン2013年10月3日号

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