滋賀県彦根市の「ひこにゃん」や熊本県の「くまモン」が全国的な人気を集めるなど、「ゆるキャラブーム」が続いている。このブーム、町興しを目指す地方自治体と、ビジネスチャンスと捉える企業や業者の思惑とのせめぎ合いによって、さらなる拡大を続けている。
地方発のキャラクターと聞くと、イラスト自慢の役所の職員が勝手にこしらえたもの、というイメージがあるが、それは遠い過去の話。『ゆるキャラ論』(ボイジャー刊、共著)の著者でライターの犬山秋彦氏はこう語る。
「かつてはそういうこともありましたが、現在は公募のほかデザイン会社などに委託して制作するのが一般的。ひこにゃんはプロのイラストレーターがデザインしたものに、1000以上の公募で愛称が付けられました。広告代理店やデザイン会社などが最初の企画段階からプロデュースするケースも増えています」
ゆるキャラのコストは、まずデザインを外注した場合の委託費。プロのデザイナーなどに頼む場合、安いと3万円、高いと数百万円かかる場合もあるという。だが、それ以上に大きな出費が、着ぐるみである。
「一般的な着ぐるみを専門の制作会社に頼むと相場は60万円程度かかる」(犬山氏)
別途、暑さ対策でなかに小型ファンなどを設置する場合も。ちなみに、着ぐるみ製作工場は大阪など関西エリアに多い。
※週刊ポスト2013年10月4日号