国内では消費増税、国外では「影の銀行」問題に端を発する中国景気の失速懸念など、国内外の不透明なリスク要因が横たわるなか、いま投資すべき銘柄はどこにあるのか。22年間、株式市場で勝ち残ってきたカリスマファンドマネジャー・藤野英人氏が解説する。
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プラスとマイナス材料が交錯するいまの相場環境で「買ってはいけない株」と「買っていい株」をどう見分けるか。
まず「買ってはいけない株」というのは、外部要因に左右されやすい銘柄だ。内需なら、消費税増税前の駆け込み需要の反動減が最も懸念される不動産が筆頭に挙げられるだろう。
外需なら、これまでの好調が一変しつつある中国をはじめ新興国への依存度が高い銘柄は避けた方が無難だろう。もちろん、業種によって事情は異なるが、特に競争力を失っている総合電機はまだまだ厳しいといわざるを得ない。
いずれも株価的にはアベノミクスの恩恵で概ね好調だったが、ひとたび外部リスクに晒されれば、株価反落の可能性が一気に高まる。そういう意味では、期待先行で株高となっていたバイオ関連も注意が必要といえる。
逆に「買っていい株」は、いうまでもなく、外部リスクの影響を受けにくい銘柄である。内需なら、消費税増税後も必要に応じて買わなくてはならない、言い換えれば「買いだめの利かない商品」を扱う業種だ。
たとえば食料品や日用品は買いだめにも限界がある。加えて消費税アップとなれば、なるべく消費を抑えようとする節約志向が高まるため、客単価が低くて競争力が高いデフレ関連銘柄が浮上してくる。ユニクロなどを展開するファーストリテイリング、サイゼリヤなどの外食、セリアなどの100円ショップ辺りは再び注目されるに違いない。
外需なら、下ブレリスクのある新興国ではなく、相対的に安心感のある米国での売上比率の高い企業に目を向けたい。業種でいえば自動車関連が筆頭で、なかでもホンダや富士重工業、ブリヂストンといったところが注目されるだろう。
※マネーポスト2013年秋号