日本テレビ社員でみのもんたの次男が窃盗容疑で逮捕された事件で、改めてテレビ局には有名人子弟が数多く在籍していることに注目が集まっている。
「コネ入社」といわれつつ実力を発揮して活躍する人も多い。その筆頭が俳優・高橋英樹の愛娘でフジテレビから今年4月にフリーになった高橋真麻アナだ。史上最高の女子アナとの呼び声が高い、高島彩アナ(元フジ)も俳優の竜崎勝(故人)を父に持つ。
ただし「全く使えないコネ社員」が数多くいることもまた事実だ。 みのの次男の場合も、周囲の評判は散々だった。
「スポーツ局でディレクターをしていて、プロ野球のヤクルト担当だったんですが“今日の先発投手は誰でしょう?”と聞くと、“さァ、全然分かんない”と答えたんです。予告先発が導入される前の話ですが、担当なら大体のところは予測できて当然。取材量も知識量も全然足りていませんでした」(日テレ社員)
複数のテレビマンに聞いたところ、「ダメなコネ社員」にはひとつの傾向があるという。ある民放局のディレクターがいう。
「特にタチが悪いのは自分がコネ入社だとは夢にも思っていないタイプ。有名人の息子なんかは“コネだと思われないように地道に頑張ろう”と謙虚な人が意外に多い。ですが、中には“自分は親の力を全く借りずに入社した”と勘違いする社員もいる。特に政財界の大物の息子にその傾向が強い」
いわゆる「有名人の子息」はコネ入社の中ではごく一部。スポンサー企業の会長や社長、政治家、大手芸能プロダクション幹部の息子たちが人知れずこっそり入社しているというケースのほうが多い。
あるテレビ局では、こんな話があった。同局の筆頭株主である企業の大株主の娘が入社した時のことだ。
「非常におおらかというか、ワガママな性格で……。新人にやらせる雑務をお願いしても、“私にこんなことやらせるんですか?”といわんばかりの不満げな顔で、全く動こうとしない。新人なのに、上司をアゴで使う勢いでした。会社としてももてあましていて、仕事もロクにやらせられない状態。まさに“使えないコネ社員”の見本のようでした」(同局社員)
別の局には、自民党でかつて党三役まで務めた政治家の娘が入社した。報道局に配属されたのだが、取材現場では常に高級そうな服や靴を身にまとっていた。
「仕事ができないというわけではなかったのですが、とにかくファッションにばかり気を使う子で……。取材中も髪型を整えたり、服についたゴミを払ったり、水たまりで靴を濡らさないよう気にしたりで、まったく集中していないんです。最終的に、彼女のあだ名は“フェラガモちゃん”になりました(笑い)」
※週刊ポスト2013年10月4日号