ふなっしーの快進撃が止まらない。バラエティー番組やイベントに引っ張りだこ。11月1日公開のハリウッド映画『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海』では日本語吹き替え版で声優を務め、11月27日にはシングル『ふな ふな ふなっしー~ふなっしー公式テーマソング~』でCDデビューも決定。ほかのゆるキャラと比べても圧倒的に幅広い活躍だ。これだけ人気を集める秘密はどこにあるのだろうか?
キャラクター研究家の犬山秋彦さんはこう語る。
「ふなっしーは非常に多忙で、ここ数か月オフがないそうです。まず、ファンの年齢層が幅広いんです。ある広告代理店でのアンケートでは、子供からお年寄りまでファンがいる。これはほかのゆるキャラにはあまりないことで、くまモンとふなっしーぐらいなんです」(犬山さん・以下「」内同)
注目を集めるのは、ふなっしーのキャラクターに関係しているのは言うまでもない。ほかのゆるキャラにない特徴のひとつは、言葉を発するという点だ。
「バラエティーや、歌手、映画の吹き替えという仕事は、言葉を発することができるからこそできた仕事だと思います。とくにバラエティーでは、タレントや芸人と絡むことができる。しかも、ふなっしーは出演するたびに対応能力というか、アドリブ力が磨かれていっています。毎回、成長していく“伸びしろ”はファンが応援したくなる要素だと思います」
もはや、ふなっしーはひとつの“人格”をもったキャラクターだと、犬山氏は言う。
「ほかのキャラクターの例をあげるなら、キティちゃんはイラストのほうが本物で、着ぐるみは遊園地向けの副産物という色合いが強い。一方、ミッキーマウスは、あくまでもディズニーランドにいるミッキーが本物ですよね。ふなっしーも、イラストやグッズにはなっているけれど、いつも動き回っている着ぐるみのふなっしーが本物。人格をもったキャラクターという意味では、ふなっしーはミッキーに近いということができます」
非公式キャラクターであるということも幅広い活躍を後押ししている。ふなっしーはプロフィール上、千葉・船橋市在住となっているが、船橋市からは公認されていない。
「公式キャラクターは人気が出てくると、過激な発言やちょっとはみ出した発言をすると、関係者によって封じられてしまい、ツイッターでも自由な発言ができなくなる。そうすると、キャラクターの個性や面白さがなくなってしまうんです。ふなっしーは非公式だから、奔放なキャラクターをずっと維持できています。ふなっしーはツイッターでの発言もうまくて、気になるファンの発言には、ちゃんと返事もしています。ファンとしてもふなっしーというキャラクターをうまく遊べている感じがしますからね」
「倍返しなっしー」「お・も・て・なっしー」など新しい流行語が出てくればすぐに取り入れ、前田敦子の熱愛の話題が出ればその日にコメントする。話題のネタをすぐさま自分のものにしてしまう図々しさも、ふなっしーが飽きられない理由のひとつかも。