さまざまなヘアスタイルの男性写真がスライド表示され、俳優の松田翔太が「ヘアジャム、ヘアジャムじゃない……ヘンタイ」などとつぶやくCMが印象的な、マンダムの新スタイリング剤『ギャツビー ヘアジャム』。この商品発売にあたり、同社が「ヤング男性のマインド調査」(15~28歳・1000名)を実施した。
調査結果によると、「普段の自分の行動や意識であてはまる」という項目で目立ったのは、「発言をする時、場の空気を読んで意見を言うようにしている」が63.0%で、イマドキの若い男性は“周囲から目立つのを避ける”のを重視する傾向がうかがえる。また「生活の中で一番大事なことは、『自然体でいられること』だと思う」(57.2%)一方で、「人の第一印象は見た目で決まると思う」(59.3%)と考えており、かなり見た目に気を配っているようだ。彼らが好むヘアスタイルのイメージは「清潔・まじめ感」(73.2%)で、「自然・素髪感」(53.1%)というのがポイント。
髪を整えるのは「清潔な人だと思われたいから」(49.6%)、「マナーのため」(46.0%)と「周りからださいと思われないため」(44.0%)が主な理由であり、ここでも周囲の目をとても気にしているさまがうかがえる。
そんな「清潔感重視」「ナチュラルな素髪感」の追求によって、従来のスタイリング剤はやや“キメすぎる”と思われるのか、2001年から2012年にかけてスタイリング剤の使用率は高校生で79.2%から25.0%へ、大学生では69.4%から49.0%と激減し“若者のスタイリング剤離れ”が進んでいる。
昔から清潔感やきちんと感の演出として、髪を整える傾向はあったが、かつてのCMで木村拓哉がワックスで毛先までしっかり整えたように髪型をキメ、“おしゃれに見える”ことに重点を置く男性が多かった。だが今は、「あまちゃん」の種市先輩で全国に知られるようになった福士蒼汰のように、黒髪で清潔感のある自然な質感が人気だ。
そうしたトレンドの中で、これまでも若い男性が望む仕上がりをもたらすスタイリング剤を出してきたマンダムが、投入したのが『ギャツビー ヘアジャム』。固めない、ベタつかないだけでなく、自然な仕上がりを長時間キープし、ヘアケア効果ももつ。清潔感のある毛流れをつけ、スタイルがきまっているのに素髪を演出できる――といった特性で、いったん離れたスタイリング剤に、若者の気持ちが戻るポイントを満たすことを狙っているという。
そもそも自然体が人気だからといって、何もしないヘアスタイルが支持されるわけではない。民放テレビ局のメイクルームで、出演者のメイクをする女性スタイリストは語る。
「好感度の高い素髪スタイルを作るには、それなりの手間とテクニックを求められます。例えば、女性のナチュラルメイクは、昔も今も変わらず人気が高いですが、真のナチュラルメイクというのは『ナチュラルに見えるメイク』であって、実は高度なテクニックを必要とし、結構手間がかかるメイクですよ。女優やタレントには、こういった高い演出力で、自然体のかわいらしさや清純さを手中にしている人が少なくないです」
彼女によると、実際美しいだけでなく、こうした演出力の高さもある理想的な例としては、女優の宮崎あおいだという。プライベートに波があっても、清純派のイメージを保ち続ける透明感や可憐さは、やはりルックスが大きな要因。清潔感があり、自然体に見え、かつ好印象を持たれる見た目――男性であっても、このあたりのセルフプロデュース力は“女優がお手本”という時代なのかもしれない。