16年ぶりのAクラスが決定し、初のクライマックスシリーズ(以下、CS)進出を果たした広島東洋カープ。まずは、2位・阪神との第1ステージを勝ち上がり、巨人との決戦に臨めるかどうかが、見所のひとつだ。
クライマックスシリーズが導入された2007年以降、3位チームが2位チームを撃破したケースはセ・リーグでは2回ある。2008年の中日と2010年の巨人だ。これらの年の8月以降の成績を見ると、ともに3位チームが2位の阪神を上回っている。
2008年:○中日(25勝24敗1分 勝率.510)対●阪神(22勝27敗2分 勝率.449)
2010年:○巨人(26勝25敗1分 勝率.510)対●阪神(27勝27敗1分 勝率.500)
レギュラーシーズンのラスト10試合の成績は、以下のようになる。
2008年:○中日(7勝3敗)対●阪神(3勝6敗1分)
2010年:○巨人(6勝4敗)対●阪神(6勝4敗)
2010年は互角だが、2008年は明らかに3位の中日に勢いがあった。このデータから見ると、終盤に好調だったチームのほうがCSを勝ち上がる確率は高いといえる。
パ・リーグでは、3位から日本一に輝いた2010年のロッテの「下克上」が有名だが、3位チームが2位チームを破ったケースは4度ある(カッコ内は8月以降の成績)。
2008年:○日本ハム(23勝23敗 勝率.500)対●オリックス(28勝18敗 勝率.609)
2010年:○ロッテ(25勝24敗 勝率.510)対●西武(24勝21敗1分 勝率.533)
2011年:○西武 (35勝22敗7分 勝率.614)対●日本ハム (24勝38敗5分 勝率.387)
2012年:○ソフトバンク(27勝22敗4分 勝率.551)対●西武(30勝24敗4分 勝率.556)
3位チームが8月以降の成績で2位チームの勝率を上回った年は、2011年の西武しかない。しかし、レギュラーシーズンのラスト10試合になると状況は変わってくる。
2008年:○日本ハム(7勝3敗)対●オリックス(6勝4敗)
2010年:○ロッテ(6勝4敗)対●西武(3勝7敗)
2011年:○西武(6勝2敗2分)対●日本ハム(3勝6敗1分)
2012年:○ソフトバンク(3勝7敗)対●西武(4勝5敗1分)
昨年のソフトバンクを除けばすべて、ラスト10試合の勝率が高かったほうがファイナルステージ進出を果たしている。
そこで、今年の8月以降の成績(数字は9月25日現在)を見ると、広島28勝18敗1分、阪神21勝24敗2分となっている。広島は貯金10を作っているのに対し、阪神は借金3と元気がない。9月だけに絞れば、広島は14勝6敗と絶好調なのに、阪神は6勝13敗2分と、不振が際立っている。
広島はエース・前田健太を筆頭に、バリントン、野村祐輔、大竹寛と計算できる先発投手が揃い、リリーフ陣も永川勝浩、ミコライオと万全だ。終盤以降の勢いだけなら広島有利といえそうだが、はたして巨人と日本シリーズをかけて戦うのは、どちらのチームになるのか?