異文化との交流は難しいが、そんな二つの文化の橋渡し役となってくれるのが、ハーフたちだ。二つの母国を持つ彼・彼女らは、外国人との交流が苦手だと言われる日本人には貴重な存在である。このたびコミックエッセイ「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ」(メディアファクトリー)を上梓した、サンドラ・ヘフェリンさんに「男女交際における異文化交流」について聞いた。(聞き手=フリーライター神田憲行)
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サンドラ・ヘフェリンさんは父親がドイツ人、母親が日本人という日独ハーフ。ドイツ・ミュンヘンで育ち、現在は日本に住む。ドイツ語と日本語がぺらぺらで、国際交流、異文化交流などの講演なども行っている。
「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ」で興味深かったのは、外国人やハーフと純ジャパ(=純粋ジャパニーズ、ハーフでない日本人のこと)との「男女交際」だ。なんと、在日外国人は男性も女性も問わず、合コンが大好きらしい。
「基本的にヨーロッパには合コンという文化はありません。来日して最初は異文化への興味で参加して、その楽しさにはまってしまうヨーロッパの男性は多いです」
と、サンドラさんは笑う。
「なぜなら、日本人の女の子がチヤホヤしてくれるから(笑)スウエーデン、オランダ、ドイツなど北ヨーロッパで、男性に『かっこいいー』『すてきー』などと言う女性はいません。日本だと社交辞令でも『すてき』って言いますよね。そんなこと言われるの人生初体験だから、もう舞い上がっちゃうんですよ(笑)」
ちなみにサンドラさんの外見は金髪でヨーロッパ風の顔立ち。「合コン」にサンドラさんが現れると、ヨーロッパの男性はあからさまにガッカリした表情を見せるのだとか。
では逆に、ハーフや外国人の女性に純ジャパ男子はモテるのだろうか。
「そりゃ純ジャパ男子が好きな人はいますよー」
えっそうなの!? 日本人女性が外国人にモテるとはよく聞くが、男性もモテるとは意外だ。
「ドイツ国内の大学の日本語学科には、『日本人男性がタイプ&好みだから日本語を勉強中』のドイツ人女性もいますし、『日本人との男性との子供ができたら、ハーフの子はかわいいから、早く子供がほしい!』と言っている白人女性もいたりします。欧州の国々では、『東洋系の赤ちゃん』は本当に可愛がられるんです」
勇気づけられるではないか。世界で戦える自信が湧いてきた。サンドラさんによると、外国人女性にモテるコツがある。
「ニッポン人男性が白人女性にモテたい場合は、『寿司』を握れば間違いなく人気者になれますし、モテます。本格的な寿司でなくていいんですよ。カッパ巻きや、アボカド巻きを『それっぽく』握れば、もうモテモテです。さらに柔道や空手のポーズもウケます。それもちょっとかじった程度で十分ですから。ぜひ試してみてください」
空手のポーズしてカッパ巻き作るんですか……なんか大昔のハリウッド映画に出てきたヘンテコな日本人みたいな感じですが……と、とりあえず明日からカッパ巻きの練習だっ!