8月中旬に緊急入院し、9月15日に一時、心肺停止に陥っていた中村うさぎさん(55才)。現在は元気に話をする状態にまで回復したという。
うさぎさんが体調に異常を感じ始めたのは、7月下旬頃。7月23日、彼女はブログにこう綴っていた。
<夏バテのダルさと体の重さに耐えかねたあたしは、深夜営業のアロママッサージに行ったの!(中略)体のあちこちが痛くてさー。原稿ひとつ書き上げたらベッドで2時間休む。みたいな状態よー>
そして食欲がなくなり体重が減っていく。体重は41.8kg。<人生最低記録>(8月1日)、そう綴った。
やがて手足が痺れて歩くのも困難な状態になり、8月中旬に緊急入院。8月21日には『5時に夢中!』(MXテレビ)を欠席する。
<手足が震えて立てなくなったのがピークだと思ってたら、まだまだ先があったわ。今度は顎と舌が震えてきて喋れなくなったの>
当初、原因として疑われたのは、ギラン・バレー症候群だった。筋肉を動かす運動神経の障害のために、急に手足に力が入らなくなる病気で、人口10万人あたり年間1~2人がかかるとされる非常に珍しい病気だ。かつて大原麗子さん(享年62)や安岡力也さん(享年64)もこの病気に苦しめられた。
大阪医科大学神経内科科長の木村文治医師が解説する。
「ギラン・バレー症候群は国が定めた難病のひとつです。発症は20~30代と50~60代の2つのピークがありますが、50代、60代では重症化することも多い。
一般的には風邪のような症状を契機に、両足に力が入らなくなってきて、足先、太もも、手の力がどんどん弱ってきます。顔面の神経マヒが出たり、呂律が回らない、食べ物がのみ込めないという症状が出ることも。重症のタイプでは、呼吸器の筋肉が弱ってしまい、呼吸ができなくなって意識が低下、死に至るケースもあります」
うさぎさんのケースでは、ギラン・バレー症候群とは適合しない検査結果が判明し、原因はいまだに不明のまま。しかし、一時は死の淵に立ったうさぎさんはしっかと生還を果たした。
中高年女性が注意しなければならないのは、ギラン・バレー症候群だけではない。更年期症状とよく似ていて、実は別の重大な病気だったというケースもある。
成城松村クリニックの松村圭子院長の話。
「ひとつには甲状腺の病気が挙げられます。汗が出たり、すごくイライラしたり、疲れやすくなったりして、“更年期だからかな”と思っていたら、甲状腺機能亢進症だったというケース。甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることが原因で、ひどくなると、足や全身が震えたりして、日常生活に支障をきたします」
同じ甲状腺の病気でも、甲状腺機能低下症といって、甲状腺ホルモンの分泌が低下する病気もある。亢進症とは逆に体のさまざまな機能が低下し、むくんだり、だるかったり、「しんどくて動けない」といった症状が表れる。やはり更年期症状によく似ているので、病気だと気づかれずに放置されてしまいやすい。
※女性セブン2013年10月10日号