28日の放送で最終回を迎えたNHK連続テレビ小説『あまちゃん』。ファンからは続編を希望する声が根強いが、実現する可能性は? そして『あまちゃん2』がもしできるならどんなストーリーになるのだろうか。“あまラー”の識者に聞いた。
6か月間の放送が終了し、ファンの間からは「やってほしい」「あまロス症候群を解消して!」などと続編実現への期待はますます高まっている。脚本の宮藤官九郎氏は「やりきった」と続編には消極的だが、主人公のアキ役・納年玲奈は「パート2をやりたい」、NHKの松本正之会長も続編制作について明言している。
コラムニストのペリー荻野さんはこう語る。
「クドカンさんは『あまちゃん』のコントを作ったり、過去の朝ドラにないことをやってきました。ファンの声に応えるというのも今までにない形ですから、続編制作に乗り出す可能性は充分あると思います。『ちゅらさん』のようにまずスペシャル版で復活するのが現実的かもしれません」(ペリーさん・以下「」内同)
“あまラー”でもあるペリーさんは、期待を込めて『あまちゃん2』のストーリーをふたつ、次のように予想した。
【北三陸のコミュニティーラジオ局が舞台に】
「震災でラジオが大事だと気づいた人が多かったということから、北三陸の人が中心となってコミュニティーFM局を始めるところからストーリーが始まります。北三陸駅には、小さなラジオブースが作られる。コミュニティーFM局って人手も予算もないから、地元の人が順番に出演していく。アキとユイ(橋本愛)の潮騒のメモリーズ、海女クラブのメンバー、駅長の大吉(杉本哲太)、夏ばっぱ(宮本信子)も…。
そして、一番人気になるのがヒロシ(小池徹平)。彼は引っ込み思案だからラジオでは名ディスクジョッキーになるけれど、人前に出られない。全国コミュニティーFM大会が開催されて、ヒロシが推薦されて現地に行くけれど、やっぱり喋れないのでどうすればいいのか周囲も悩んで、結局、春子(小泉今日子)のように影武者を誰かがすることに…」
【映画『潮騒のメモリー』がハリウッドへ】
「北三陸が映画制作の舞台になり、街おこしにつなげていくという話。映画『潮騒のメモリー』は震災ですぐ打ち切りになりましたからね。ブラッド・ピッド、アンジェリーナ・ジョリーの偽物みたいなハリウッドスターが北三陸にやって来て、“アマガールズ、イズ、グレイト!”“日本の美しい姿を撮りたい”みたいなことになって、そこからハリウッド版『潮騒のメモリー』の制作が始まっていく。そこに、アキやユイなども出演することになり…」
あまちゃんに登場する個性的なキャラクターならさまざまな話に膨らませることができるという、ペリーさん。「スピンオフなら」とこんなストーリーも語る。
「ひとつは女性に人気の高いミズタク(松田龍平)が主演の話です。これは見たい人は多いはず。もうひとつは、アキのお父さん、正宗さん(尾見としのり)を主演にした作品。正宗さんが運転するタクシーの中でさまざまなドラマが展開していく。春子との出会いもタクシーでしたし、春子を鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)のレコーディングスタジオに連れて行ったのも同じ車内でした。正宗さんの視点から、アキや春子のことを描いたり、タクシーでのお客さんとの出会いから話が展開していっても面白いストーリーになりそうです。阿部サダヲさんとか、お客さんの役で出たい俳優はいっぱいいると思います」
全国の“あまラー”はペリーさんのようにさまざまなストーリーを想像しながら続編を楽しみにしているはず。もちろん、見たいのはクドカン脚本によるパート2だ。