中国の不動産開発大手、大連万達集団(ワンダ・グループ)の王健林会長(58)は山東省青島市に総工費500億元(約8170億円)をかけて、映画スタジオやホテル、ショッピングモールなどを含む「中国版ハリウッド」を建設すると発表した。映画を中心とする複合施設としては世界最大となる。4年後の2017年6月に完成予定だ。
王会長は9月22日に青島市内でレオナルド・ディカプリオやジョン・トラボルタ、ニコール・キッドマン、キャサリン・ゼタジョーンズら著名な俳優や女優ら招き、起工式を行なった。
その後の記者会見で、王会長は中国版ハリウッドの全容を明らかにした。それによると、映画村の名称は「青島東方影都(オリエンタル・ムービー・メトロポリス)」で、376万平方メートルという東京ドーム80個分の広大な敷地に、映画スタジオ20個や音響施設、アニメ制作所などを設置し、映画制作の一大拠点を目指す。
また、映画関連施設ばかりでなく、8軒のホテルや蝋人形館、ショッピングモール、室内のアミューズメントパーク、エキシビジョンセンターのほか、300隻のヨットが入れるヨットハーバーも併設するなど、一大リゾートセンターとなる。
大連万達集団は昨年5月、米大手映画館チェーンのAMCエンターテインメントを26億ドル(約2000億円)で買収し、世界最大の映画館チェーンとなっている。同集団中国内に6000の映画スクリーンのほか、62軒のデパート、68軒のカラオケセンター、40軒の5つ星ホテル、72のショッピングモールなどの商業施設を有している。
王会長の個人資産は140億ドル(1兆4000億円)と、米経済誌「フォーブス」の長者番付で中国一の富豪とされている。
同グループの総資産は現在、3000億元(約5兆円)、昨年の総売上は1417億元(約2兆3150億円)となっている。