ゆるキャラブームが起きる前から、多くの観光施設や商品・ブランドなどに、さまざまなキャラクターが存在している。特にCMなどに登場するものは、ストーリー性があることから、アニメキャラクターさながらのキャラ設定があるケースも少なくない。
例えば、リクルートの不動産情報サービス「SUUMO(スーモ)」ブランドのキャラクター・スーモの場合、公式HP「スーモの部屋」によると「出身:スーモ星(木星の近くにあり、地球からも時折チラ見できる)」「趣味:宇宙植物を育てること」など、テレビCMを見ているだけでは気づかない設定もチラホラ。
また「スーモの相関図」をチェックすると、カラフルなスーモ星人たちから“スーモ星人って、いろんな色なのね”と思ってしまうが、「オスーモ(オスのスーモ星人)の一般的な毛色は実は青。緑のスーモはとても稀有な存在なのだ」と書かれていて、見慣れたスーモが実は“レア色”だったことが分かる。CMの引っ越しシーンで登場するオレンジ色のスーモ星人風のキャラは、「ドモモ四兄弟」で「『宇宙引越センター』というベンチャー企業を立ち上げる実業家兄弟」しかも「土星に住んでいる仲良し4兄弟」ということで、どうやらスーモ星人ではなく、土星人という設定のようなのだ。
このシリーズ、テレビCMだけでなくアニメーションなど多くの作品が作られており、それらを紐解いてみると上記以外の「スーモ・トリビア」もたくさん出てくる。主要登場人物のひとりであるドンスーモ、悪役フレーバーな見た目だがイタズラ好きなだけで、子分たちからかなり慕われているなど、実はいいヤツだったりする。
また主人公のスーモとヒロイン・スモミ(スーモ星の人気ファッションモデル)の関係について掘り下げてみると、かつて同級生だった時期があり、スーモの淡い初恋の相手がスモミなのだ。スモミは短い間で再び転校してしまうが、スーモが大学生の時、友達の買い物につき合って行ったデパートで、イベントに出演しているスモミと“運命の再会”。
その後、スーモは地球へ旅立ち、テレビCM「スーモとスモミ救出」編で再び出会うのだが、この時のスモミは仕事の辛さから地球へ逃げてきており、所属事務所からの追手を振り切ったところで、スーモに「なぜ地球へ来たのか?」を告白。想いを告げられないままスーモは「みんなを元気にするモデルの仕事って、素晴らしい」と励まし、その言葉で「もう一度、仕事をがんばる」とスーモ星へ帰る決意をするスモミ……再び離れ離れになるものの、スーモの初恋成就へ向けて、やや希望の持てる展開になっている。
この他にも、家族や恩師などテレビCMには登場していないキャラクターがいたり、実はドンスーモもスモミに片想い中――と、さまざまな設定が存在しているのだ。
15秒や30秒といった、テレビCMの枠には収まらないバックボーンを知ると、その短いストーリーがより楽しめる。お気に入りや、ちょっと気になるCMキャラクターがいたら、オフィシャルサイトやYouTube公式サイトなどで、キャラクター設定やサブエピソードを探してみると、さらに自分のツボにはまる情報が見つかるかもしれない。