スポーツ

落合氏から交代の中日・高木監督 前任者否定で失敗の典型例

『あまちゃん』や『半沢直樹』という大ヒットドラマが放送終了したが、その後番組をまかされるスタッフや出演者のプレッシャーは想像に余りある。これはテレビだけの話ではなく、どの世界でも起こりうることだ。

 前任があまりに凄いと、後任はそこそこ成功しているのに認めてもらえないというジレンマを抱えやすい。それが後釜の辛いところである。それは勝負の世界、高校野球でも如実に見られる。

「甲子園に導くだけで普通は賞賛されるのに、名将の後釜だとそうならない。常総学院の名将・木内幸男監督が2003年に勇退した後は、後任の監督は、甲子園に出場しても初戦敗退続きのため批判された。今夏は10年ぶりのベスト8なのに、やはり“木内マジックがないと優勝できない”といわれた」(スポーツ紙デスク)

 こうなると、批判を避けるために、凄すぎる前任の功績をあえて貶めることで、自らの評価を上げようとする人がいる。しかし、これは典型的な失敗ケースなので止めた方がいい。例えば、プロ野球・中日の、落合博満監督から高木守道監督への交代だ。

 中日を常勝軍団に育てたものの、無愛想でファンサービスをしない落合前監督を“否定”するというフロントの意向を受けて、高木監督が指揮を執ることになった。キャンプでは監督自らサイン会をやるなどファンサービスに努め、落合体制からの脱却をアピールしてみせた。

 しかし客足は伸びず、今年の開幕当初の観客動員数は約11%減(前年同期比)と、12球団で最大の落ち込みを記録。肝心の成績も昨年こそ2位だが、今年は12年ぶりのBクラスに転落してしまった。

 人事コンサルティング企業「セレブレイン」の高城幸司社長は、こういう場合、「見栄」や「体裁」が失敗の原因であるとする。

「俺ならできるという見栄や、前任者との違いを強調したいあまり、無理矢理体制を変えようとする。企業でよくあるのが、トップの交代でいきなり社屋を建て替えたり、勝算のないまま新規事業に乗り出したりすることです。急に別な方向に舵を切ることは、周囲に不安を煽るだけで、失敗のリスクが高くなる」

 確かに高木体制ではコーチや選手との衝突も目立った。低迷もむべなるかな。

※週刊ポスト2013年10月11日号

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン