去る9月18日、『日本の安倍首相、26日国連で10億ウォン規模の慰安婦基金発表予定』というタイトルの記事が韓国の通信社「ニュース1」から配信された。
国連総会の場で“慰安婦基金”を発表となれば日本国内でも大騒ぎになるはずだが、その手の報道は一切なし。どういうことなのか。評論家の室谷克実氏が説明する。
「日経新聞の『首相、国連総会で女性の人権重視表明へ』(9月18日)という記事に書かれた、海外紛争地の性暴力被害女性に対する基金に資金を捻出するという内容を、慰安婦とはどこにも書かれてないのに勝手に誤解して記事にしてしまったんです」
韓国ではいま、安倍首相に関するトンデモ記事が量産されている。
巨人の始球式に96代目首相として背番号96のユニホームを着た安倍首相が登場すると、「安倍首相、『背番号96』で憲法改正アピール!?」(朝鮮日報5月6日)と憲法96条改正にこじつけ、731の番号が打たれた自衛隊ブルーインパルス機に安倍首相が試乗すれば、「731部隊まで動員した安倍首相の極右妄動」(中央日報5月15日)と旧日本軍に結びつける。
しまいには、スタジオジブリの宮崎駿監督の引退まで、「安倍政権の右傾化の歩みに失望したのではないか」(聯合ニュース9月2日)と言い出した。
最後に、デマではないが余計なお世話だといいたいのが中央日報8月30日付に掲載されたコラム「半沢直樹の『倍返しだ!』……今の日本社会を反映?」。
「一時、『配慮』や『忍耐力』で象徴された日本人たちはどこへ行ってしまったのか。『半沢直樹』の絶叫を目にするたびに、近頃せっかちで無慈悲になった日本社会の一面を見ているようで、心中穏やかではない」
せっかちで無慈悲……その言葉、そのままお返しします。
※週刊ポスト2013年10月11日号