ここ最近、若い女性の間で混浴が流行になりつつあるという。聞けば、混浴を楽しむ「混浴サークル」などというものを結成されているのだとか。しかし、素朴な混浴愛好家たちを困らせる存在が問題視されている。
それがワニと呼ばれる、女性の入浴する姿を見ることだけが目的の男性の存在だ。脱衣所の外で今か今かと女性の到来を待つ「待ち伏せワニ」、一見いい人風で、湯船に女性が入ってくると話しかけながら近づいてくる「おっさんワニ」など種類もさまざま。温泉エッセイストの山崎まゆみ氏は、こんな体験をしている。
女性専用の脱衣所を出ると、そこに男性が待ち構えていた。そして湯船に向かうまでの間、至近距離で付けてくるのだ。怖くなって足早に湯船へ向かう。ところが、そこには誰もいない。すると男はお湯に入った山崎氏のすぐ脇まで、何食わぬ顔でやってくる。脱衣所へ逃げ帰った山崎氏は、服を身につけてから、さっき男が立っていた場所を覗いてみると、また、そこに男がいた。その男こそ、待ち伏せワニだったのだ。
北関東のある混浴露天風呂では、お客さんに安心して入ってもらえるようにフロントで監視カメラをチェックしているという。
「問題は、外から来る大学生ぐらいの男性グループ。若い女性が入ってくると、必ず声をかけますからね。変なことをしてたら、注意しに飛んで行きますよ。特に休日は、20代の女性が多いので、用心しています」
会員1万人を誇る日本最大級の混浴サークル「なちゅらる」を主宰する只野温泉氏も、ワニの存在を煙たがる女性が、混浴から遠ざかることを心配している。
「サークルの目的は、人間同士のコミュニケーション。エロを目的に来る人はお断わりです」
※週刊ポスト2013年10月11日号