お笑い芸人の小島よしお(32才)が子供の間でブレークしている。毎週レギュラー出演している子供向け番組『おはスタ』(テレビ東京系)では、“スポーツマスター440”として子供たちの運動に関する悩みを解決して、大人気。7月の単独ライブ「小島よしお的おゆうぎ会」では、受付にベビーカーが並び、会場は親子連れで満席。小島が歌うと子供は立ち上がって一緒に歌って踊り、大盛況だった。なぜ小島が子供に人気なのか、お笑い評論家のラリー遠田さんに聞いた。
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ひと言で言うと、子供にわかりやすい芸をずっとやっているということだと思います。海パン姿で“そんなの関係ねぇ!”と歌って踊るネタもそうですが、ほかにも、子供向けの歌って踊るネタをやったりしていて、言葉をあまり使わないで、見た目と感覚だけでわかるような芸風をずっと貫いているところが受けているのではないでしょうか。
子供向けというのは要するに、頭でわかるのではなく体で感じるネタなんです。大人向けの漫才やコントは、大人が今まで社会の中で得て来た知識とか経験がベースとなって作られているから、見ている人も“自分の周りにも、こういうおかしな奴がいるな”という経験を元に理解するから、笑いにつながるんです。
でも子供にはそういうものがないので、純粋に見た目が面白いとか、まねしたくなる歌を歌っているとか、派手にはしゃいでいるとか、裸同然の格好だとか、そういう、ある意味では単純なところで笑える。まさに小島さんの芸がそれなんです。
子供向け番組に出ている芸人さんは、キャスティングする側も子供が喜びそうな芸人を起用していると思います。『ピラメキーノ』(テレビ東京系)に出ているはんにゃも、動きを使ったわかりやすい芸をしますよね。だから子供に人気がある。
小島さんは、今は完全に“子供狙い”にシフトしているのではないでしょうか。最初はそこまで意識していなかったと思いますが、子供にやけに受けるということにあるときから気づいて結果的にそうなったんだと思います。他に子供をターゲットとする芸人が少ないので、そこに活路があると思ったんじゃないですかね。
小島さんは、これからもこの路線で活躍していけると思います。逆にこのジャンルはライバルがいないというか、やりたくてもできるものではない。小島さんは体を鍛えたりもしていますし、見せる体をつねに意識しています。それは今後の子供向け路線を見据えてのことかもしれません。しばらくこの人気は続くのではないでしょうか。