二軍落ちしても腐らなかったラミレス
DeNAアレックス・ラミレス(39)が戦力外通告を受けた。今季のラミレスは4月6日に2000本安打を達成し、順調なスタートを切ったが、その後は打撃不振に陥り、レフト守備での拙守も続き、4月25日の巨人戦を最後にスタメンから外れていた。
その後、交流戦のパ・リーグ主催試合では指名打者としての起用もあったが、指名打者制のないリーグ戦に戻ると、一度も先発出場はなし。代打では、11打席連続ノーヒットを記録するなど結果を残せなかった。
前半戦終了後の7月18日に一軍登録を抹消されたラミレスだが、その後の様子はどうだったのか。スポーツライターが語る。
「ラミレスほどの実績を持つベテランが二軍に落ちると、モチベーションが大幅に低下してしまい、結果を残しづらい。しかし、ラミレスは一軍にいるときと変わらず、明るく練習に取り組み、試合でも結果を残しています」
後半戦、ラミレスは二軍で26試合に出場、打率3割1厘、3本塁打、15打点と、まずまずの成績を残している。
「若手育成を優先する場なので、途中交代やスタメンを外れることも見受けられたなかでの成績。なにより、ラミレスは腐らなかった。守りが終了すると、ベンチ前に出てきて、選手を出迎える。ファンが声を掛ければ、笑顔で手を振ったり、パフォーマンスをしたりして、観客の笑いを誘っていた。一軍にいるときと何ら変わりなかった。これは、なかなかマネのできることではない。
来季以降の現役続行を見据えて、気持ちを切らさなかった証拠です。指名打者制のあるパ・リーグなら、まだまだ活躍できるのではないでしょうか」(同前)
とはいえ、一軍では代打でも成績を残せなかったが、本当に来期以降活躍することはできるのだろうか。
「ラミレスは代打に慣れていないこともあったし、終盤の1点差などその試合のターニングポイントでの登場になる。となれば当然、相手投手も渾身のボールを投げてくる。今はリリーフ全盛時代だから、150キロやキレのある変化球を投げる中継ぎや抑えといきなり対戦しないといけない。代打になって以降、あまりに打者不利の場面での対戦が続いたから打てなかった。そのような背景を考慮せずに、『ラミレスは衰えた』と判断するのは早計です」(同前)
ラミレスの今季年俸は3億5000万円(推定)。たとえパ・リーグへの移籍が実現したとしても大幅年俸ダウンは必至だが、はたしてラミレスのパフォーマンス“ゲッツ”が再び見られるか。