夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、水産会社勤務のご主人(49歳)。奥様(41歳)との間に4人の子供がいます。
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独身時代の女房は、ビジュアル系バンド『 L’Arc~en~Ciel』(ラルクアンシエル)の大ファンでした。でも僕と結婚する時、「もうライブにも行かないし、追っかけもやめる。一番大事なのは家庭だから」と約束してくれました。
4人の子供の名前は、女房が「私に付けさせて」というのでOKしました。長男「蒼紫」(あおし)、長女「翠」(みどり)、次女「藍朱」(あいか)。そして4人目の次男が「橙黄」(だいき)ですが、出生届を出した時の女房の「これで全部揃ったわ」に、「ん?」。やっと気付きました。子供たちの名前は蒼(青)、紫、翠(緑)、藍、朱(赤)、橙、黄で、七色の虹の色だったんです。
「ラルク……」ってフランス語の意味は「虹」。「なんだ、結局、ラルク愛を子供に捧げただけじゃないか!」とムッとしましたが、子育てはちゃんとやっているので、グッと我慢しました。
ところが最近、テレビで「ビッグマミィ」の美奈子さん一家を見て、女房のライバル心に火が付いてしまいました。「6人の子供が『星音』(しおん)とか『乃愛琉』(のえる)って全員キラキラネームなの。うちは4人。せめてあと一人産みたいわ」「オレはもう体力的に無理だよ」「ダメよ。5人目に『虹』(しえる)と名付けて完結なんだから」。「しえる」? それ、子供たちの持ち物で我慢してよ。ほら、ランドシェル!
※週刊ポスト2013年10月18日号