東日本大震災の惨事を風化させないためにも残すべきという意見がある一方、「思い出したくない」「見るのがつらい」という被災者の声も多いのが“震災遺構”である。
その一例が、全校児童108人のうち74人が死亡・行方不明となった宮城県石巻市の大川小学校だ。「市としてはご遺族の方への対応と配慮が最優先。保存、解体については慎重に検討中」(石巻市復興政策課)という。
信じ難いことだが、校舎や慰霊碑を背景に写真をとる観光客が多いそうで、「遺族の心情を理解して下さい。ここで記念写真を撮らないで下さい」という看板も立っている。
撮影■太田真三
※週刊ポスト2013年10月18日号